駅ナカ・駅ソトの飲食店がますます充実するなか、デートに利用したくなるようなお洒落なスポットも増えている。ディナー前の待ち合わせ、がんばった仕事の帰り道、ショッピングの途中休憩などに、駅アペ=駅でアペリティフはいかが? ビールやスパークリングワインで喉をうるおし、おいしい料理をつまんで、リラックスモードへスイッチオン!

 

待ち合わせに便利な駅直結ワインバー

1. 恵比寿駅/ル バーラ ヴァン サンカンドゥ アザブ トウキョウ アトレ恵比寿西館店

JR恵比寿駅東口の改札を出て、アトレ恵比寿西館への連絡通路を渡ると、4階の入口にあるのが、「ル バーラ ヴァン サンカンドゥ アザブ トウキョウ」アトレ恵比寿西館店。駅ビルらしい賑やかなロケーションにありながら、店内は落ち着いたムードで、ディナーや二次会にも利用されている。

こちらは、スーパーマーケットの成城石井が運営するワインバー。ハムやチーズなどの輸入品をはじめ、メニューに使われる食材の約7割は成城石井で販売している。気に入った料理があれば、帰りがけに隣の成城石井で食材を買って自宅で再現できるのも、店のコンセプトのひとつだ。

店名のサンカンドゥは52の意。1年52週、週1で通っても飽きないように、少しずつメニューチェンジしている。

 

とくにワインはフランス産とイタリア産を中心に計100種と豊富。そのうち約9割が成城石井の直輸入品で、品質に比べて値段が手頃なワイン、ほかではお目にかかれないレアなワインもある。ワインリストの詳細な説明を参考にチョイスしたい。グラスワインも15種類が500円から飲めるので気軽にトライできる。

 

カマンベールとリンゴの鉄板コンビにはスパークリングワインを

「フランス産カマンベールチーズとリンゴのノルマンディ風アペリティフ」480円、「エピスリーボヌール ブリュット」(スパークリング)グラス500円、ボトル2,800円

 

シェフがフランスの産地や市場を視察して考案した「フランス産カマンベールチーズとリンゴのノルマンディ風アペリティフ」。ノルマンディ地方の名産を組み合わせた一品で、フランス産のカマンベールチーズにリンゴを合わせた(リンゴは国産)。砕いたクルミの香ばしさ、はちみつの香り、黒こしょうのアクセントが効いている。

 

ハウスワインのスパークリング「エピスリーボヌール  ブリュット」はフランス産。シャルドネとユニ・ブランのブレンドで、爽やかでフルーティな辛口が夏にぴったりだ。

成城石井ならではの定番!食材のよさを味わうおつまみプレート

「生ハム・熟成チーズ・ワインのおつまみプレート」1,480円

 

ワインにぴったりの品々が盛られた、2人分にちょうどいいサイズの前菜。メインの生ハムは、300日以上熟成させたヨーロッパ産のプロシュートを船便で直輸入している。オーダーごとにブロックを薄めにスライスして出しており、上品な風味の脂身が溶ける頃合いがおいしい。ほかは、イタリア産ハムのモルタデラ、イタリア産のパルミジャーノ・レッジャーノ、ブリーチーズ、オリーブ、デーツ、レーズン、グリッシーニ。

地中海をイメージしたスモークサーモン&フェタチーズの前菜

「スモークサーモンとギリシャ産フェタチーズ、セミドライトマトのカルパッチョ」880円

 

「スモークサーモンとギリシャ産フェタチーズ、セミドライトマトのカルパッチョ」は、地中海料理をイメージして作った前菜。種付きオリーブ、ディル、レモンも入っていて、さまざまな食材の味と食感を楽しめる。

 

Le Bar à Vin 52 AZABU TOKYO(ル バーラ ヴァン サンカンドゥ アザブ トウキョウ)アトレ恵比寿西館店
東京都渋谷区恵比寿南1-6-1 アトレ恵比寿 西館 4F
11:00−23:00(L.O.22:00)
※イートインコーナー 8:00-10:30
※ランチタイム    11:00-15:00
不定休

「常陸野ネストビール」のドラフトを駅ナカで飲む贅沢

2.品川駅/常陸野ブルーイング品川 ビア&カフェ(Beer & Cafe)

茨城県那珂市の老舗、木内酒造が作る「常陸野ネストビール」は、世界的なビールコンテストでアワードに輝いた評判のクラフトビール。この常陸野ネストビールをドラフトで味わえる直営店「常陸野ブルーイング品川 ビア&カフェ(Beer & Cafe)」が、2018年4月、エキュート品川にオープンした。

エキュート品川の2F。ノルウェー・オスロの「フグレン」のコーヒー、自家製のガトーショコラ、チーズケーキも楽しめる。

 

常陸野ネストビールのドラフトは、常陸野ネストラガー、ホワイトエール、ヴァイツェンなど15種類があり、店では常時約10種類をビールサーバーに用意。それぞれパイント980円〜かハーフパイント680円〜を選べる。フードメニューには茨城県産の豊富な山海の幸を使った料理が揃う。

黄金色のラガービールにサバのフィッシュ&チップスが相性抜群

「ドラフトビール 常陸野ネストラガー ハーフパイント」680円、「サバのフィッシュ&チップス」980円

 

常陸野ネストラガーのドラフトは、ホップの豊かな風味とモルトの旨みを味わえる逸品。生ビールに定番のフィッシュ&チップスに、「常陸野ブルーイング品川 ビア&カフェ」では茨城県が漁獲量日本一を誇るサバを使用。ビールに浸したサバにセモリナ粉をまぶして揚げているそうで、パリッとクリスピーな食感にビールが進む。自家製のタルタルソース、ポテト代わりのレンコンチップスも美味。

テイスティングセットでドラフトビール3種を飲み比べ

「テイスティングセット」980円(写真左から、アンバーエール、ペールエール、ホワイトエール)、「瑞穂牛のローストビーフ」70g 880円

 

いろいろな種類を少しずつ飲んでみたいという人には、その日のおすすめドラフト3種類が楽しめる「テイスティングセット」を用意している。付け合わせの野菜がたっぷり添えられた「瑞穂牛のローストビーフ」も人気料理。

 

ほか、「自家製オイルサーディン」580円、「常陸野 WAGYU バーガー」1,380円、「つくば鶏のハーブチキンサンド」880円、「常陸野サバサンド」880円などもおすすめ。

ドラフトビールは常時約10種類ほど。アルコール度数も4.0〜8.0%と幅があり、それぞれの個性を味わいたい。

 

夜風に吹かれる線路沿いのテラス席で、スプマンテ&イタリアンな駅アペタイムを

3. 新宿駅/ペッシェドーロ 新宿店

新宿駅南口のサザンテラスに店を構えて20年になるイタリアンレストラン「ペッシェドーロ 新宿店」。「ミラノの街角にあるようなレストラン」をコンセプトにしつらえた店内は落ち着いた雰囲気で、ランチ、ディナーともに客が絶えない。線路を見下ろすようにテラス席が設けられ、夏の夜は電車の音を聞きながら屋外で過ごすのも気持ちがいい。

料理はコースもあるが、小皿料理、前菜、サラダ、ピッツァ、パスタ、リゾット、肉料理、魚料理、デザートともにメニューが充実しており、何皿かとってシェアするスタイルが主流。がっつりお肉を食べたい気分なら、フィレンツェ風Tボーンステーキ100g 950円〜をシェアするのもおすすめだ。

店名のペッシェドーロは「金の魚」の意味。オープン当初は魚料理が中心だったが、いまは肉料理が増えている。

 

“100%よりおいしくできた”スプマンテをカルパッチョと

「“チェントゥーノ ペルチェント”パッセリーナ スプマンテ」グラス680円、「スズキのカルパッチョ」1,080円

 

「ペッシェドーロ」では2018年6月より、イタリア・マルケ州のワインメーカー「ピエールサンティ」のワインを直輸入している。スプマンテ(スパークリングワイン)に冠した “チェントゥーノ ペルチェント”は101%の意味。「100%おいしいスプマンテを目指したら、もっとおいしくなったから」と、なんともイタリア人らしいネーミングだ。洋ナシや青リンゴのような香り、辛口でフレッシュな味わいがシーフードに合う。

 

スプマンテに合わせた前菜は「スズキのカルパッチョ」。オレンジ、フレッシュトマト、セロリ、バジルがのっていて、合わせて食べると爽やかな後味を楽しめる。

夏が旬のムール貝は白ワイン蒸しでたっぷり味わう

「ムール貝とフレッシュトマトの白ワイン蒸し ハーフサイズ」1,000円

 

スプマンテや白ワインには、夏から旬が始まるムール貝もぴったり。「ムール貝とフレッシュトマトの白ワイン蒸し」はフルサイズとハーフサイズが用意されているが、ハーフサイズでも2〜3人でシェアできそうなボリュームがある。また、鍋物の締めのうどんのように、ムール貝の旨みが残ったスープを使って、1人前のスパゲッティまたはリゾットを作ってくれるサービスもうれしい(プラス500円)。

 

※テラス席では夏季限定で「ビアテラスセット」を用意。料理3品とスプマンテを含む2時間飲み放題で1人4,000円。2人から利用可。

 

 

※表示金額はすべて税別

 

取材・文:根本聡子(Sawa-Sawa)
写真:海老名進