おしゃれフードトレンドを追え! Vol.19

ヨガより筋トレに夢中!“腹筋割りたい女子”は何を食べているのか?

「腹筋割りたい!」「トレーニング後だから〇〇を食べなくちゃ」と話すのは、30代のファッション系女子(PR、スタイリスト、エディター)たち。仕事中も「プロテインならあそこのココア味が美味しいよね~」など栄養ドリンクやサプリの話で盛り上がり、アクティブでマッチョな言葉を耳にする機会が多い近頃。一体どうなってるんだ?

 

“筋肉女子”というワードも流行っているし、積極的に自分のカラダと向き合いストイックにトレーニングに励む女子たちが「カッコいい!」と賞賛される今。最近では雑誌ananで中村アンさんが鍛え上げた美しい体を披露し話題になった。彼女をはじめ多くの有名モデルや芸能人たちの美ボディを支えているのが、カリスマトレーナーのAYAさん。クロスフィットトレーニング提唱者として、ご本人の美しい肉体にも注目が集まり、インスタグラムのフォロワー数39万人以上と、多くの女性が憧れる存在だ。そんなAYAさんが好きな言葉は「Tough(タフ)!」。そう、強く美しい女性が今の時代のファッションリーダーなのだ。

画像:getty images

 

ただ細いだけでモテる時代は終わった。今おしゃれ女子たちが目指すのは、トレーニングで作り上げたタフな美筋ボディ。ヨガにせっせと通っていたファッション系女子たちも、一斉に筋トレにシフトチェンジしている。例えば私の仕事仲間でもあるストリートスタイルフォトグラファーのシトウレイちゃんも、ヨガから筋トレに転向した女子の一人だ。大学在学中からモデルとしても活躍していた彼女は、細く長い手足と小さな顔、色白美肌で服が似合うのだが本人いわく「地味なコンプレックスもある」「腹筋を割りたい」のだとか。「最近はヨガなど静的なスポーツより、クロスフィットや筋トレなど、そっち系にスポーツトレンドが流れている傾向があるのかな」とレイちゃんは現状の腹筋割りたいブームを考察していた。

 

さて、そんなおしゃれ腹筋女子たちはいい筋肉を作るために食への配慮も怠らない。筋肉男子といえば某ステーキチェーンがっつり赤肉を食べているらしいが、女子の場合はもう少しスタイリッシュ。お肉は牛よりも鳥ムネ肉、たっぷり生野菜と、ビタミン不足は野菜&フルーツジュースで補う。基本的には自炊でサラダやチキンソテー、野菜ジュースなどを摂っているが、外食の時だって気を抜けない。まあ、たまの飲み会や集まりの時は筋肉のことは忘れて何でも食べて盛り上がる! 食べた分は後でトレーニングというゆるやかさを持っているのも好感度が高い。

筋肉女子たちの外食事情その1:ランチ

おしゃれな内装と明るくかわいい筋肉女子スタッフがナイスな、「筋肉食堂」でスタミナランチ。筋トレ人間のお約束、高タンパク低カロリーを守ったボリュームランチがあればトレーニング効果を最大限にUPできるはず。大きな鳥モモ肉やムネ肉はしっとりジューシーに焼かれ(もちろん皮なし)、たっぷりのもやしの上にオン。特製醤油ダレやノンオイル香味ダレなどで味変を楽しみながら食べるのがオススメ。付け合わせは玄米かキャベツを選べるので、糖質オフしたい日はお米なしでキャベツと一緒に食べるのもいい。もちろん上質なローストビーフも食べるのもいい。店内はボディメイク意識高い系の人が集まり、男女の比率は半々くらい。キュートなヘルシー女子たちがキャッキャ言いながら「ブロッコリーサラダ追加で!」「玄米お代わりください!」とモリモリ食べている。UBER Eatsお弁当デリバリーも行なっており、お店を訪れた際にも10個まとめてのお弁当オーダーが何件も入っていた。日替わりランチは1,000円で、皮なしチキングリル200gに、野菜、玄米、スープが付く。食前にレモンウォーターとプロテインドリンクのサービスがあるのもうれしい。

ミックスステーキランチ(ムネ200g・モモ200g )1,500円。付け合わせはキャベツ。

 

筋肉女子の外食事情その2:軽めランチ

お昼を軽く済ませたい日には、ボリュームサラダをたっぷりといただく。なかでもチョップドサラダというスタイルの、全ての具材を細かく刻んだサラダが女子に人気だ。二子玉川にある「チョップドサラダデイズ」は、筋肉女子だけでなく意識の高い二子玉川ママたちにも人気。大きなレタスだと大口開けてドレッシングの飛びはねを気にしながら食べなくてはいけないが、チョップドサラダならスプーン一つで、小さな口でどんどん食べられる。葉っぱとともにナッツやビーツ、お肉やフルーツ、チーズなど食感や風味のコンビネーションを楽しみながらあっという間に完食してしまう。

左:メキシカンコブサラダ(ロメインレタス、グリルドチキン、アボカド、ボイルドエッグ、トマト、キュウリ、ウォルナッツ、ブルーチーズ)1,350円、右:ケール&ビーツ(ロメインレタス、ケール、ビーツ、りんご、レッドオニオン、にんじん、ウォルナッツ、フェタチーズ)1,090円

 

筋肉女子の外食事情その3:朝食&おやつ

鶏肉とサラダだけではビタミンミネラルが足りない!ということで、仕事エリアの打ち合わせ場所はフルーツジュースが美味しいカフェを指定。東京ミッドタウンにある「ウカフェ」のビューティージュースは、野菜や果物を丸ごとイタミックスですりつぶしたもの。小腹が減った時にもぴったりの飲みごたえあるボリューム感が人気だ。筋肉女子の場合は、糖質たっぷりのバナナは抜きでオーダー。

ウカフェのビューティージュース(出典:にゃ〜ごさん

 

また南青山のニコライバーグマンカフェ ノムで花に囲まれてフレッシュスクイーズジュースを飲むのも定番。こちらでももちろん、バナナ抜きメニューを選ぶそうだ。

ニコライバーグマン ノムのフレッシュジュース(出典:FUKUMARINさん

筋肉女子の外食事情その4:手土産

ホームパーティや仕事の付き合いで手土産が必要なときには、砂糖なしグルテンフリー添加物なしのいわゆる「罪悪感ゼロ」スイーツがよいだろう。チョコみたいなのにチョコじゃない、抹茶かと思ったらアマニボール!? その見た目と原料のギャップ、さらにその美味しさにびっくりすることだろう。渋谷ヒカリエ地下にある「フードジュエリー」はそんなヘルシースイーツ「ブリスボール」の日本初の専門店。砂糖や添加物なしでこんなに奥深い味のスイーツができるのか、と一度話題性のために腹筋割りたい女子友達にプレゼントしてみるのもいい。

ブリスボール(5個セット)1,490円

 

かつてファッションデザイナーのトム・フォードが「正直、裸が一番美しい」(WWD japan vol.785 1996年9月16日号)と語っていた通り、美しいカラダがあってこそのファッションだ。

 

腹筋割りたい女子たちを見ていると、「その美しいカラダが欲しければ自ら動いて勝ち取ろう!」というポジティブなパワーを感じる。お尻をUPし、二の腕を引き締め、緩んだ太ももにを入れている姿を見るとなんだか勇気が湧いてくる。ゆるめシルエットだったファッションが最近はTシャツもシャツも ハイウエストにINする着こなしが主流に。お腹まわりのもたつきは完全NGになってきた。

 

しなやかボディの美女を見たら、それは多分生まれつきのものではなく、努力して手に入れたスタイルなのだ。羨ましがるよりも、賞賛の眼差しを向けるのが正解なのだろう。もうすぐやってくる夏休みに向けて、美味しくムネ肉とサラダを食べて、バッチリ鍛えるべき季節がやって来た。