【第3週のカレーとスパイス】下北沢の人気カレー店「カレーの惑星」の跡地に姉妹店がオープン!「CURRY SHOP エイリアンズ」

10月10日から27日まで「下北沢カレーフェスティバル2024」が開催中です。元々下北沢はそこまでカレーのお店が多かったわけではないのですが、カレーフェスが開催されるようになってからカレーのお店が増え、普段はカレーを出さないお店もこの時期になるとスペシャルメニューとしてカレーを出すようになったりと、下北沢の町がカレーに染まるような時期となり、毎年盛り上がりを見せています。

お店は一見、写真屋さんですが、中に入ればカレー屋さんです

そんな下北沢の人気店「カレーの惑星」が移転したのですが、その跡地に姉妹店である「CURRY SHOP エイリアンズ」が2024年9月8日に開店しました。

店内はカウンターとテーブル席を用意

何故その流れになったのかと言うと、まず建物の老朽化により取り壊しが決まり、1年以内にカレーの惑星が立ち退かなくてはいけない状況となり、カレーの惑星としても人気店なのでもっと広いお店でとの考えがあったので移転。しかし移転が決定した後に立ち退きのタイミングが3年後に延び、その期間にカレーの惑星とは違う新たなカレーとスパイス料理のお店を出したいと、シェフが社長に直訴して姉妹店がスタートすることになったのだそうです。

「牛すじグリーンカレー」に、トッピングは「塩麹チキンカツ」

確かにエイリアンズはカレーの惑星とはまた違う魅力を持ったカレーを提供しています。「牛すじグリーンカレー」1,300円に「塩麹チキンカツ」280円を、「ホネホネチキンカレー」1,300円に「フライドエッグ」150円をトッピングして注文。

隠し味は、ニラ!

牛すじグリーンカレーはタイ料理のゲーンキョウワン(グリーンカレー)に近いココナッツミルクとハーブの利いたカレーなのですが、タイと違うのはそこにほうれん草やニラが使われているということ。特にニラの風味が程よい隠し味となっていて個性あるおいしさに仕上がっていました。トッピングのチキンカツも塩麹によって柔らかくなっていて食べやすく、満足度も上がります。

「ホネホネチキンカレー」と、トッピングの「フライドエッグ」

ホネホネチキンカレーはシャバッとしたテクスチャーのチキンカレーで、こちらには味噌が隠し味として使われ、その奥深い風味が個性となっています。フライドエッグも想像通り相性の良いトッピングでした。

メニュー名通り、存在感抜群のホネホネチキン

どちらのカレーも隠し味の使い方が絶妙で、よくあるスパイスカレーではなく、このお店オンリーワンの味となっているのがとても良いです。

ピクルスとアチャールは箸休めにピッタリ

卓上には箸休めとして2種、高菜のアチャール、きゅうりとにんじんのピクルスがあり、それを加えると程よい酸味でカレーの味にも変化が出ます。この付け合わせも他にありそうでなかなか無いもの。一見普通に見えてちゃんと個性があるというのが素晴らしいです。

今後の展開を聞いてみると、おつまみやトッピングメニューを増やし、夜の営業時間も長くして、昼はカレー、夜は締めにカレーを食べることができる、飲めるスパイス創作料理屋にしていきたいとのこと。お店にはテイクアウト用の出窓があるのですが、そこで立ち飲みも可能にしたいそうで、さらに楽しいお店となっていきそうです。

テイクアウトにも対応

今回ご紹介したCURRY SHOP エイリアンズも、元々その場所にあって移転したカレーの惑星も、どちらも違う魅力で下北沢のカレーを盛り上げていく存在と言えます。どちらのお店もカレーフェスティバルに参加しているので、カレーフェスに行く方は要チェックですし、行かない方もブックマークしておいて損はないですよ。

【第4週のカレーとスパイス#190】濃厚になったスープがたまらん! 人気スパイスラーメン店が移転リニューアル「東京華山椒®︎」

「tokyo花さんしょう」改め「東京華山椒®︎」として足立区関原にニューオープン

東京・中目黒でスタートし、巣鴨に移転した「tokyo花さんしょう」。以前本連載でも紹介したこちらのお店が、2024年8月4日、店名を「東京華山椒®︎」と変え、足立区関原に移転しました。最寄駅は梅島なのですが歩くと25分ほどかかる場所。しかしそれだけかけて行く価値のあるお店です。

▼過去の紹介記事はこちら

灯籠もある和の雰囲気の店内

新しいお店は雰囲気のある内装。カウンター席ですが小上がりもあり、こちらは家族連れなどで要望があればちゃぶ台を出して使えるようにするそうです。待ち席も石畳に灯籠と、和を感じさせるスタイリッシュな店内が印象的。

小上がりもあります

メニューは時間帯によって変わり、朝は担々麺、昼は辣々麺。週末は夜営業もしています。僕のお気に入りは「CURRY辣々麺」1,200円で、これにローストポークをトッピングするのが大好きなのですが、今回は夜に行ったこともあり、おつまみ的に「ローストポーク 辛みの効いたレッドソース」1,000円からいただきました。

「ローストポーク 辛みの効いたレッドソース」

低温調理で仕上げたローストポーク。写真の手前のパクチーサイドが脂の多い部分、ネギサイドが赤身のしっとり仕上げた部分と、2つの部位を使い、ソースは味噌ベースでマスタード、ホワイトペッパーなどを使ったオリジナル。周りを囲む辣油も自家製です。

そのまま食べても、CURRY辣々麺と一緒に食べてもおいしい!

まずはそのまま食べ比べ、パクチーを巻いたりネギを巻いたりしてまた食べてもまだ量があるたっぷり感。一気に食べたいところでしたが、少し残してCURRY辣々麺と一緒に食べるとまた違う魅力を感じられます。

「CURRY辣々麺」

CURRY辣々麺は提供時に「手前の緑色のオイルの方から酸味を探しながら食べてください」という案内がありました。この緑色のオイルは何かと言うと、トスカーナ産のヴァージンオリーブオイル。案内があるからこそそれをイメージするとより味の深い部分まで感じられます。

スープは以前より濃厚な味わいに

スープは以前より牛のうまみが深くなり、上にのる野菜の味わいも変化。濃厚になった分、ほのかな酸味が程よく重さを消してくれて良いです。カレースパイスも程よい存在感で、香りですべてをつなぐような役割を果たしています。

ローストポークを投入すれば、よりスパイシーな味わいに変化

そして途中から残しておいたローストポークをスープに投入すれば、ローストポーク自体のソースもあいまってよりスパイシーとなり、スパイスラバー的にも大満足の仕上がりとなりました。

内装、案内も含めてより五感で楽しめる料理となり、おいしさの立体感が増しました。どの駅からも遠い場所にありながら、既に店内は盛況で人気店となりつつある様子。行列店となる可能性も高い新たな名店候補。今のうちにチェックしておくことをおすすめします。

※価格はすべて税込

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部