【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#188】「ほなまた」
大阪は言わずと知れたスパイスカレーの激戦区であり、創作系の自由なスパイスカレーを多く見かけますが、中にはオーセンティックな現地料理をわかりやすくスパイスカレー的なスタイルで提供しているお店もあります。
今回ご紹介する「ほなまた」も、インド料理をスパイスカレー的に表現したお店。2024年7月15日に今里駅と鶴橋駅のちょうど間くらいの位置に移転オープンしました。
エメラルドグリーンの鮮やかな外観が印象的なお店。中に入ると移転前のお店よりかなり明るくなっていて、居心地の良い空間です。
こちらのカレーは先述したようにオーセンティックなインド料理をベースとしていて、定番メニューの野菜カレーと限定メニューのカレーがいくつかあります。僕のお気に入りは野菜カレー。
野菜カレーは肉や魚のうまみに頼れないのでごまかしが利かず、シェフの実力が特に出る料理だと思っているのですが、こちらの野菜カレーはベースのマサラ自体のレベルが高く、野菜のみでありながらしっかりと印象に残る力強さがあります。
今回は「野菜カレーチキン付き」1,200円の小盛(-50円)と「ヒイカのアチャール」200円をトッピングして注文。付いてくるチキンは、限定の「西インド風チキンカレー」のこと。青唐辛子の爽やかな辛さとヨーグルトの優しさが印象的なカレーです。
写真を見るともうひとつカレーがあることがわかると思いますが、こちらはダル。豆のカレーです。というわけで2種盛りで注文しても実質3種盛りというお得感があるのがうれしいところ。
ダルは優しく他のカレーの味を邪魔せず、混ぜた時に味をつなぐ役割も果たします。ヒイカのアチャールは優しい酸味とヒイカのうまみと良い意味での苦みをスパイスで見事にまとめたもの。副菜にもそれぞれ意味を感じるおいしさであり、ひとつひとつの料理のクオリティが高いです。
夜にはスパイスおつまみでお酒を飲めるスタイルにもなるということで「羊のネギマ」250円もいただきました。焼き具合も程よく、羊肉のブリンとした食感と長葱のジュワッとした食感のコントラストが楽しく、味わい的にも調和しています。インドでは長葱を使うことは少なく、ネギマというのも日本ならではの発想。
あくまでオーセンティックなインド料理の調理法にこだわりつつも、提供のスタイルが自由なのが大阪的であり、素晴らしいです。
シェフは人気スパイスカレー店に1年半勤務した後に「食べログ カレーWEST 百名店」にも選出された「ココペリカレー」の立ち上げメンバーとなった方。その後ココペリカレーで働きながら、同時に人気インド料理店でも6年間アルバイトをしながらインド料理への理解を深めていき「ほなまた」で独立したという経歴の持ち主でもあります。
「カレーと聞くと、辛いという先入観やナンで食べるものだと言うイメージがまだまだ根強いことを移転してより強く感じました。お米に合うインドカレーも、辛くないカレーももちろんあります。たくさんの方に食べていただき、日常の食卓にも取り入れられるくらい身近に親しんでもらいたいです」と語ってくれました。
繁華街から住宅街へ移転したこともあってそのように感じられているようですが、まさにその通りです。インド料理の良さ、おいしさを本格的かつわかりやすく提示してくれる貴重な存在。昼も夜も違う楽しみ方ができる、通い甲斐のあるお店です。
※価格はすべて税込