【肉、最前線!】

数多のメディアで、肉を主戦場に執筆している“肉食フードライター”小寺慶子さん。「人生最後の日に食べたいのはもちろん肉」と豪語する彼女が、食べ方や調理法、酒との相性など、肉の新たな可能性を肉愛たっぷりに探っていく。奥深きNEW MEAT WORLDへ、いざ行かん!

 

今回は、紫陽花の開花で賑わう鎌倉へ行ったら、絶対見逃せないステーキハウス。ボリューミーなステーキがお得に食べられてしまうワケとは?

Vol.23 紫陽花だけで帰るべからず!肉と鎌倉編

「J.S. STEAK STAND KAMAKURA」店内

 

鎌倉が一年でもっとも賑わう季節がやってくる。初夏に鎌倉を訪れる多くの人のお目当ては、鮮やかに咲き誇る紫陽花。40種以上の紫陽花が見られる長谷寺や「紫陽花寺」と呼ばれる明月院、花の寺として知られる光則寺や遅咲きで7月上旬に見頃を迎える妙本寺など、見どころは満載。梅雨の合間の晴れの日には、江ノ電の車窓から抜けるような青空と海を望むことができ、つかの間のショートトリップ気分を存分に盛り上げてくれる。

 

鎌倉のメインストリート、小町通りをはじめ、北鎌倉や江ノ電の沿線上にも新しい店が続々とオープンしているが、紫陽花に勝るとも劣らぬ注目を集めているのが、鎌倉駅からほど近い若宮大路にあるステーキスタンド「J.S. STEAK STAND KAMAKURA」だ。

ハラミ肉の一部であるハンギングテンダー

 

三浦や佐島で揚がる新鮮な海の幸に肥沃な大地で育つ鎌倉野菜を使った料理に特化したレストランが多いなか、豪快なステーキ一本で勝負する潔さ。店内の券売機でチケットを購入し、オーダーするシステムは、観光の途中にサクッとパワーランチをしたいときにもぴったりだ。赤身と脂身のバランスがよく、肉質も柔らかいチャックアイロールは国産の牛脂で素揚げをしてから火山岩のグリラーで焼き上げる。

 

最初に肉のまわりを焼き固めることで旨みはしっかりと封じ込められ、グリラーの遠赤外線効果によって肉はふっくらジューシーになる。「カジュアルに楽しめるステーキスタンド」というテーマを掲げるだけあって、チャックアイロールは300gで1,380円、ハンギングテンダーは同じく300gで1,560円とコストパフォーマンスの高さも抜群だ。

 

通常、ステーキハウスは、ソースの種類も限られているがこちらは6種を用意。特製の黒七味セサミバターを加えたブラック・グレービー醤油、爽やか風味のグリーン・シソチミチュリ、ピリッとした辛さがクセになるレッド・ホットアラビアータといった個性的なフレーバーが、肉の美味しさをさらに引き立てる。

肩ロース肉のチャックアイロール。写真は約2ポンド分

 

300gでもボリューム的には大満足だが、「とにかく肉をお腹いっぱい食べたい!」なら、29(ニク)日を目がけて行くのがオススメ。「STEAK FAN’S DAY」という名のこの日は、最大3ポンドのステーキを定額2,000円で提供するイベントを開催。

 

総量にして1,350gの圧巻ステーキは味もさることながらビジュアルの強さも抜群。ボリューミーでもペロリと食べられるのは赤身肉に凝縮された旨みと種類豊富なソースのなせるワザだ。

 

「花より団子」な肉好きにとって、大迫力の塊肉には紫陽花以上の眼幅が。“口福”感もたっぷりなステーキを目指して、いざ、鎌倉へ!

 

◆STEAK FAN’S DAY
日程:毎月29日を含む月3回開催(予定)。詳細は公式インスタグラム(@steak.journal_standard.jp)にて随時更新
料金:2,000円
内容:「チャックアイロール」(通常1,380円/300g)を最大3ポンド(1,350g)までオーダー可能(1回のみ、追加不可)。ライス(おかわり自由)、選べるソース2種類、付け合わせ
時間制限:なし

 

※すべて税別価格

写真:上田佳代子
取材・文:小寺慶子