親子で楽しめるカフェメニュー
カフェの方ではモーニングメニューやランチメニューも。ランチの「3種のパンプレート」は米粉の入ったバゲット、生食パン、クロワッサンと、ソーセージ、ラペやサラダなど盛りだくさんの野菜、日替わりのスープがいただける。3種のパンはどれも店舗の看板商品。このプレートで味を試してみて、気に入ったものを購入してもらえれば……という目的もあるとか。つい自分の栄養補給は後回しになりがちな子育て時期には、野菜がたっぷりついているのもうれしいところだ。また、自家製レモネードなどドリンクも店内仕込みの凝ったものが多いのがポイント。
子育て中、特に乳幼児を育てているときには「お店の中で子どもが泣いてしまったら……」と気を遣ってしまい、外食へのハードルは高くなるもの。子育ての当事者が孤立しがちな時代だからこそ、おいしいパンとドリンクでホッと一息をついてほしい……そんな店側の思いが伝わってくる。
乳幼児が食べやすいキッズメニューも。小麦粉・卵不使用の3種の米粉蒸しパンとスチームミルクを使ったドリンク「ベビチーノ」のセットは、「大人と同じようなものを食べたい・飲みたい」年頃の幼児を持つ親にはとてもうれしい。しっとり、もっちりした食感と優しい味わいが印象的な米粉蒸しパンはベーカリーでも売れ行きが良いというが、これは保育園で人気のメニューをヒントに生まれたもの。「みらいのテーブル」ならではの商品といえるだろう。また、米粉を使った商品やグルテンフリーの商品は今後もっと増やしていきたいという。
パンの商品開発は「子どもも食べられるかどうか」を主軸に試行錯誤しているというが、常時50種類用意しているというパンはどれも「パンとエスプレッソと」の監修だけありハイクオリティ。もともとベーカリーショップが少なかったエリアとあり、オープンするやいなや多くの近隣住民に歓迎されているというのも頷ける。また、店舗でドーナツなどに使用した揚げ油をハンドソープにリサイクルし「さくらさくプラス」で運営している保育園で使用するといった取り組みも。「飲食」と「子育て支援施設」のコラボレーションでどんなことができるのか、そのモデルケースを見せてくれるという意味でも興味深い。
月島という場所は東京の中でもいわゆる“下町”。古くから住む住人が多い一方、マンション建設により新たに移り住んだファミリー世帯が急増している場所でもある。そういった地域は、住人たちのコミュニティをどう形成するかという課題も抱えていることが多いもの。まだ開店間もないものの、この「みらいのテーブル」では店内で高齢者と小さな子ども連れ、また出産を控えた妊婦さんなどが混在することも多々あるという。
地域も、人も、店舗も、「ここから一緒に育っていく」。単なるカフェではなく、“みらい”がここから見えてくる……そんな場所といえるだろう。
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