定食王が今日も行く!Vol.46
2つの味で楽しむ鰹のタタキで龍馬のような“勝男”になる!
昭和48年創業、鰹一本釣り漁船から
届く本場の「藁焼き鰹のタタキ」
5月といえば初鰹の季節。厳密にいえば、旬なものをおかずに、美味い白飯をいただくのが定食の醍醐味だ。これまで鰹のタタキ定食といえば、「祢保希」であったが、今回紹介するのは2年前に東京、西新宿に進出した高知の名店「明神丸」だ。先日テレビで高知県出身の女優・広末涼子さんも地元で食べる藁焼きの鰹の塩タタキの美味しさについて語っているのを目にし、食欲を刺激され久々に訪れた。
「明神丸」はその名前の通り、船の名前に由来する。昭和48年創業の鰹一本釣りで日本一と称される明神水産の提携店だ。
出典:chobinchさん
高知名物の藁焼きは注文後に厨房で焼き始め、最後に藁を焼いて香りをつける。藁を燃やす瞬間に炎が頭の上まで上がる! これを見るだけでも、気分が高揚して鰹のタタキへの期待感が高まる。
塩&タレのWタタキ定食
「これやき」で食べ比べ
そしてこれがランチ名物「これやき定食」。塩のタタキとタレのタタキを両方味わえて、食べ比べられるこの店ならではのメニューだ。
箸袋には食べ方の説明がある。まずは塩からいただこう。黒潮町産の天日塩が振りかけられた状態で提供されるタタキをまず一切れ。関東では醤油の生姜でいただくことが多いが、高知県では天日塩、わさび、ゆず酢、ニンニクという薬味を加えて、食べるのが一般的だそう。
先ほどの燃え上がる炎は瞬間的に1000℃ほどの高温になり、それによって鰹の表面を一気に焼き上げる焼き霜という技法で、カツオ本来の旨味が中にギュッと凝縮される。これによって鰹本来のもつプリプリとした弾力、旨味が増し、塩で食べることで、鰹の魅力がより一層引き立つのだ。
鰹の魅力を余すことなく
食べられる夜メニューにも注目
タレのタタキに使われる熟成ポン酢ダレは、藁焼きした鰹をくぐらせて風味づけしたタレを継ぎ足して作ったもの。藁の香ばしい風味がほんのり香り、ご飯がすすんでたまらない! 好みよって、塩だけ、タレだけの定食もあり、5切れから10切れまでボリュームを選ぶこともできる。
夜には鰹のタタキの握りや、鰹のユッケ、鰹のタタキ茶漬けなど様々な調理法で、余すことなく鰹を食べ尽くすことができる。「勝男」として昔から縁起物としても好まれる食材、旬の季節の今だからこそ、さっぱり食べられて、がっつりスタミナがつく定食を食してみては?