待望の「鮨 さいとう」の支店がオープン!

文字も紋も本店と同じ

昨年11月に麻布台ヒルズが開業してから心待ちにしていた麻布台ヒルズ マーケットが4カ月経ち、とうとうオープンしました。惣菜、焼鳥、精肉、鮮魚など、グルメ垂涎の店が並ぶ中、話題店のひとつが「鮨 さいとう 麻布台」でしょう。「鮨 さいとう」と言えば「The Tabelog Award 2024」でGold、ミシュランでは三つ星を10年連続で獲得し、最高峰の寿司店として国内外にその名を轟かせてきました。

引き戸に刻まれた「さいとう」の文字が輝く

親方、齋藤孝司さんは今までに「鮨 つぼみ」「3110NZ by LDH Kitchen」と、プロデュースはしてきましたが、国内で「鮨 さいとう」の名を使うのは初めて。それだけ気合いが入っているということで注目を集めているのです。

洗練された設え

マーケット内ということで誰でもいつでも立ち寄れる立ち食いスタイルにする予定でしたが、「鮨 さいとう」の看板を背負うなら予約客に合わせて仕込みをし、最高のつまみと握りを提供したいと着席に変更しました。L字形のカウンターの上にはつけ台と箸置きにのせた箸のみというシンプルなセッティング。味に自信があるからこそ華美な装飾は必要ない、そんな心意気を感じます。

「鮨 さいとう 麻布台」の親方、滝本純也さん

滝本純也さんは専門学校を卒業後、大阪・北新地「さえき」、六本木「鮨 さいとう」で修業、「鮨 つぼみ」の個室を1年半ほど経験して「鮨 さいとう 麻布台」を任されました。

営業時間は昼は12時からと13時半からの2回転、夜は18時からの1回転のみ。ランチは16,500円の握りコースで、つきだしのあとに握り11貫、玉、巻物、お椀になり、ディナーは33,000円のつまみと握りコースで、つまみ5品、握り12貫、玉、巻物、お椀という流れです。

つまみは「のれそれ」「黒龍酒粕漬け」など逸品ぞろい!

「鯛の子、ホタルイカと菜の花の酢味噌がけ」

まずはつまみをご紹介しましょう。「鮨 さいとう」グループ初の試みとして日本料理の「八寸」のように小さい器をいくつか盆にのせて提供します。本日は「鯛の子」と「ホタルイカと菜の花の酢味噌がけ」。春から夏にかけて真鯛の産卵期にしかお目にかかれない貴重な「鯛の子」は口にすると、ほろほろとほぐれて含めた出汁の優しい味がじんわりと広がります。

富山県産のホタルイカ

軽くゆでたホタルイカはぷっくりとして、見るからに鮮度抜群! ワタの風味も楽しめる酢味噌がけにしてあります。添えたのは菜の花。春を感じる一品です。

ふぐ白子焼き

名残りの白子は表面をしっかり焼いて中をとろりとさせる絶妙な焼き加減。噛んだ瞬間、白子がぷっとはじけて中からミルキーな液体が口中に一気に押し寄せます。他には得難いこの極上の風味にしばし浸っていたくなります。

写真奥が「目光」、手前が「えぼ鯛」

もうひとつ、こちらでしか味わえないのが酒粕漬けの焼きものです。実はこちら、日本酒は「黒龍」のみを扱っており、特別に酒粕が手に入ることからこの一品が生まれました。福井県の銘酒「黒龍」からできる酒粕の上品な香りをつけながら食材のうまみを存分に引き出し昇華させています。