〈今夜の自腹飯〉
予算内でおいしいものが食べたい!
食材の高騰などで、外食の価格は年々あがっている。一人30,000円以上の寿司やフレンチもどんどん増えているが、毎月行くのは厳しい。デートや仲間の集まりで「おいしいものを食べたいとき」に使える、ハイコスパなお店とは?
教えてくれる人
![](https://magazine.tabelog.com/uploads/2024/04/120x120_428030_1225104628-1.jpg.webp)
塩沢 航
小山薫堂事務所「N35」の放送作家。1975年生まれ。師匠・小山薫堂の一番弟子にして、師匠譲りのグルメ作家としておなじみ。主な担当番組は「アナザースカイ」「オモウマい店」「有吉くんの正直さんぽ」など。「パレ・ド・Z」「リモートシェフ」など食にまつわるコンテンツも多数担当している。
虎ノ門ヒルズにニューオープンの話題の店!
![](https://magazine.tabelog.com/uploads/2024/04/DSC08824-1024x683.jpg)
国領の人気イタリアンレストラン「ドンブラボー」が手掛ける「クレイジーピザ」は、ピザの概念を覆す“ぶっかけ”などの新しい世界を切り開いてきた。その新店が虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの地下2階、T-MARKETに登場した。
T-MARKETはビル内の中庭のような空間にある開放的なスペース。「クレイジーピザ」もカフェテリアのようなスタイルで、ランチやピザ1枚からでもサッと入れるというのもうれしい。
![](https://magazine.tabelog.com/uploads/2024/04/120x120_428030_1225104628-1.jpg-1.webp)
塩沢さん
カジュアルなカウンタースタイル。飲むだけでもいいし、飲んで食べてもいい。待ち合わせの0次会でもいいし、どこかで食べたあとの〆に1枚いただくのもよろしいかと。テイクアウトできるのもありがたいです。
名店出身のシェフによる、ピザへのこだわりとは?
![](https://magazine.tabelog.com/uploads/2024/04/DSC08835.jpg)
店長を務める山口恭平さんは「ドンブラボー」のキッチンにも立ち、国領にオープンした最初の「クレイジーピザ」の店長も経験した料理人。虎ノ門では、電気窯を使ってピザを焼くため、その強みを生かしたいと話す。
「神楽坂店も電気窯で焼いていますが、あちらは郷土料理や単品が多いので、それを食べてからの〆のピザという要素が強いのです。でもここはピザ自体が4番バッター。ピザだけ食べても満足してもらえるように“しっかりおいしい”を目指しています」と言う。
![](https://magazine.tabelog.com/uploads/2024/04/DSC08656-1024x683.jpg)
ナポリピッツァは生地に塩味があり、それがおいしさにもつながっている。しかしその分、1枚を食べきると少し重く感じることも。そこで「クレイジーピザ」では、1枚でも軽やかに食べきれるように、と生地の塩気をいかに減らすかという課題からスタートしたという。
「塩味が利いているナポリピザは一口目からおいしいと感じます。塩気を減らすとインパクトがなくなってしまうので、その分は工夫しました」と山口さん。例えば、国産小麦に全粒粉を加えて香りや風味を増し、水に玉ねぎのエキスをしみこませた玉ねぎ水や乳清も加え、多層的なうまみで生地に味わいを加えている。
![](https://magazine.tabelog.com/uploads/2024/04/120x120_428030_1225104628-1.jpg-2.webp)
塩沢さん
もともと「国領の奇跡」と称えられた「ドンブラボー」平雅一シェフ率いるグループが手掛ける、ピッツァの店。先にオープンした神楽坂も素晴らしかったので、虎ノ門にも通うようになりました。
他店舗とは焼き方を変えた、唯一無二のピザ
![](https://magazine.tabelog.com/uploads/2024/04/DSC08718-1024x683.jpg)
「ドンブラボー」では薪窯でピザを焼いているため、ピザは薪の香りをまとっている。しかし虎ノ門店では電気窯で焼くため、薪の香りにマスキングされない、生地本来の粉の香りがより重要になってくる。生地に使う素材は同じでも、全粒粉の粗さや比率を変え、生地の香りがより際立つように進化させたという。さらにしっかりと焼くことで粉自体のうまみも引き出している。
「他店と比べても、よりインパクトが出るようにさらにしっかりと焼き上げているのが虎ノ門の特徴です」(山口さん)
![](https://magazine.tabelog.com/uploads/2024/04/DSC08758-1024x683.jpg)
![](https://magazine.tabelog.com/uploads/2024/04/DSC08801-1024x683.jpg)
![](https://magazine.tabelog.com/uploads/2024/04/120x120_428030_1225104628-1.jpg-2.webp)
塩沢さん
ピッツァ=石窯という固定観念を覆し、電気窯ならではの良さを前面に打ち出したピッツァ。石窯で焼いたピッツァはどうしても生地や具材が煙のにおいでマスキングされてしまうのですが(それが醍醐味ともいえるのですが)、電気窯は生地と具材の本来の味わいを余すところなく楽しめます。これぞリストランテ規格のピッツァ。具材のチョイスも考え抜かれています。