侮るなかれ! 高すぎるクオリティの前菜
個性的でオリジナリティあふれるのはピザだけではない。手書きのメニューにある“本日の前菜”も魅力たっぷりなのだ。旬の魚はカルパッチョで登場する。この日は皮目を炙って厚切りにした鰆(さわら)。余分な水分を抜いた厚切りの鰆は、身がしっかりして味が濃厚。イタリア伝統のトマトを使ったケッカソースにブラッドオレンジをプラスしてアレンジしている。
低温でゆっくり火を入れた鶏肉がしっとりジューシーなのが「大山鶏のカルピオーネ」。カルピオーネとは北イタリアの郷土料理で、香味野菜やビネガーなどでマリネしたもの。ワインビネガーだけでなく、バルサミコやレモンなどさまざまな酸味を合わせて複雑さを出したという。上にのせたドライトマトを使ったタプナードソースを崩して混ぜると味の変化が楽しめるのだ。
実は隠れた人気メニューといえるのが「濃厚トマトゼリー」。スタッフが働いていた、フィレンツェの市場にある有名レストランの突き出しのメニューを再現したものだ。ほんのりスパイシーなトマトのゼリーはワインを呼ぶ味で、オリーブオイルに浸ったバゲットと一緒に食べると誰もがとりこになってしまう。
塩沢さん
バジル、ニンニク、オレガノを忍ばせたトマトソースをゼリー状にしたシンプルな料理なのですが、底知れぬおいしさを秘めていて、バゲットに塗ると止まらなくなります。これ、テイクアウト用に売ったらいいのに。家にあったら毎朝最高。
ワインやクラフトビールなど、セレクトのいいお酒も充実。ピザとワインをサクッと楽しむのも、前菜からピザまで食べて飲んでとしっかり食事するのもOK。予約必須だった「クレイジーピザ」が、その時々で使い方も自由にチョイスできるようになったとはうれしい。これはぜひ行ってみてほしい。
※価格はすべて税込