〈今夜の自腹飯〉
予算内でおいしいものが食べたい!
食材の高騰などで、外食の価格は年々あがっている。一人30,000円以上の寿司やフレンチもどんどん増えているが、毎月行くのは厳しい。デートや仲間の集まりで「おいしいものを食べたいとき」に使える、ハイコスパなお店とは?
住宅街にある、手作り点心専門店
大阪メトロ田辺駅から南へ徒歩5分程度。住宅街の中にある「点心工房 九龍」は、手の込んだ手作り点心がいただけると、遠方から訪れる客も多い評判の一軒だ。 長居公園東筋を南へ行くと店に出合う。
オーナーシェフは藤田梢さん。茨城県出身で、共働きの両親の下、料理上手な祖母と一緒に台所に立つ機会が多く、料理が好きになったと話す。大阪あべの辻調理師専門学校、辻調理技術研究所(中国)を卒業。同校で20年以上中国料理講師を務め、女性で初めて助教授となった人物だ。「中国料理のブレない味や調味料の豊富さ、豪快さに魅力を感じています。職員時代は中国料理を勉強しながら、内外のいろんな料理人さんと交流を持つことができましたよ」
40歳になるときに区切りとして独立することを決意。多くの先輩や後輩の開業を見てきて、自分の店には何か“武器になるもの”が必要と考えた。自身が点心を専門としてきたこと、点心専門の個人店が大阪にはあまりないことから「手をかけて作った点心のおいしさを伝えたい」と、点心専門店を開くことに。調理師学校時代の元生徒で「福臨門酒家」での経験を持つ、点心師の山口悟さんに声をかけ、共に店を切り盛りすることとなった。
昼は、点心4種と中国粥のランチや、点心8種のランチセットが人気。夜は、前菜、点心5種、一品料理、麺か飯、デザートのコースがなんと6,000円~で味わえる。お酒も紹興酒やワインなど豊富にスタンバイ。コロナ禍を機に、蝦餃や広東焼売など点心のテイクアウトもおこなっている。