〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載!

MIXTEKO TOKYO(東京・麻布十番)

写真:お店から

2024年3月、麻布十番駅から徒歩5分ほどの場所に、メキシコ人シェフによる伝統的なメキシコ料理をコースで堪能できる「MIXTEKO TOKYO」がオープンしました。

シェフのカルロス・ソラナ氏 写真:お店から

シェフのカルロス・ソラナ氏はメキシコのオアハカ州出身で、20歳で米国カリフォルニアのナパバレーに渡り、フレンチやイタリアンの店で修業を積みました。その後、NY、メキシコ、東京でも腕を磨いてきました。皿洗いから始まり、スーシェフ、エグゼクティブシェフを含む、さまざまな役職を歴任し、料理人としてのキャリアは16年以上になります。

東京は世界でも食文化の重要な都市の一つであり、そこでレストランをオープンすることをカルロス氏はずっと夢に描いていました。
夢の実現に向けて徐々にパートナーのミチさんと準備を始め、目黒の「新潟酒バル吹溜」を週末に借りて、不定期にポップアップのメキシコレストランを始めることに。この時の料理が現在のコースの原型となっているそう。約1年半かけて、友人の紹介や口コミで、徐々に常連さんも増えたことから、常設のレストランをオープンすることを決意。
同時期に駒沢大学駅近くでデリバリー・テイクアウト専門のキッチンをオープンし、Uber Eatsでは平均4.8点のレビューを獲得しました。その時のメニューが現在のランチの原型になっています。

昼間は日が差し込み温かみのあふれる空間に 写真:akari kuramoto

店舗は麻布十番商店街から少し入った裏路地の静かで落ち着いた場所にあり、ゆったりと時が流れる隠れ家のよう。
麻布十番はインターナショナルでありつつも、商店街をはじめとした日本の伝統や温かみが共存した、ユニークな街でとても魅力的なエリア。今まで東京になかったであろう同店のコンセプトや料理を、新しい体験にもオープンなこの地で知っていただき、地元の人にも愛されるお店にしたいと、この場所を選んだそうです。

メキシコのアドベ建築をモチーフとしたテラコッタカラーの壁がアクセント 写真:akari kuramoto

店内には質感や素材、色彩にこだわることで、メキシコの国旗がなくともメキシコを感じてもらえるようにたくさんの仕掛けをしたそう。内装はデザインをKOTO art&creative worksが、施工を合同会社BEが手掛けています。アドベ建築をモチーフとしたテラコッタカラーの壁は左官職人による仕上げ。本来トルティーヤを焼くための調理器具であるコマールをオアハカから調達し、店内を明るく照らすランプにアレンジしてもらったそう。
また、同店では日本全国の生産者から仕入れた高品質で新鮮な食材をたくさん使ってメキシコ料理を作るので、内装にも伝統的な日本の要素を取り入れています。テーブルとカウンターは和紙職人のハタノワタル氏に和紙を使って加工してもらい、和紙ならでの素朴な風合いや温かみを感じられます。客席はカウンター7席とテーブル4席で、コンパクトな空間だからこそのアットホームな雰囲気で、くつろいで過ごせます。

メイン 写真:お店から

コースは5品の「ショートコース」から用意していて、おすすめは「ドリンクペアリング付きおまかせコース」13,200円。数千年以上の歴史があるメキシコの伝統料理は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されていますが、日本ではタコスやセビーチェ、トルティーヤなど限られた料理がイメージされがちです。実際には数えきれないほどの料理の種類が存在していて、料理8品とドリンク4〜5杯ペアリングの「ドリンクペアリング付きおまかせコース」では、メキシコ料理の伝統や奥深さ、さまざまな側面を知ることができるようになっています。コースの内容はその時の旬の材料に合わせて、週単位で変更するので、訪れる度に驚きを感じられます。

メキシコの代表的なカクテルの一つ、パロマ。テキーラをベースにグレープフルーツの生果汁のフレッシュさが溢れる一杯 写真:akari kuramoto

また、ペアリングのドリンクはワインだけではなくメキシコで昔から愛されるおいしいドリンクも提供するので、さらにメキシコ料理の世界が広がります。
今後は食通な方向けに、もっと特別で贅沢な体験ができる限定のアップグレードメニューも提供予定だそうです。

毎朝お店で手作りするコーントルティーヤと新鮮なお魚で作るトスターダ 写真:akari kuramoto

ランチタイムには、スープやサラダ、新鮮なフルーツを使ったアグア・フレスカというメキシコのフレッシュドリンクが付いた「タコスランチセット」2,500円や、「カルニータス・トルタセット」2,600円、「ローストチキン・サラダセット」2,600円などを用意しています。材料にこだわり、全て丁寧に手作りされた本格的なメキシカンランチは優しい味わいと好評を得ています。

旬の素材を使った季節を感じる一皿 写真:お店から

毎週火曜日にはTACO NIGHT(タコナイト)を開催していて、コース料理とはまた違う、ストリートスタイルのタコスをカジュアルに楽しめます。伝統的なメキシコ料理を語る上では、メキシコのストリートフードの代表であり、メキシコ人のソウルフードであるタコスは欠かすことができません。TACO NIGHTでは、タコス2個+1ドリンク3,000円のセットを提供。タコスのメインのトッピングは週替わりで、牛、豚、シーフードの3種類を用意しています。サイドメニューやメキシコのおいしいドリンクと組み合わせて、気軽にメキシコのストリートで食べる本物のタコスの味を楽しんでください。

メキシコ人シェフのカルロス氏が、炭火と薪火を使ってお肉やお魚を料理します。 写真:akari kuramoto

本場のメキシコ料理は、日本のように出汁を大切にし、野菜を豊富に使い、サルサをたくさんかけない限り基本的には辛くない料理ばかり。日本とメキシコの最高品質の食材を使って、多くの方に本当のメキシコ料理の味を知ってもらいたい、日本のメキシコ料理のイメージを変えたいとカルロス氏は語ります。料理とインテリア、音楽など、提供するすべてを通して、メキシコに旅しに来た気持ちになれるレストラン。シェフの長年研鑽を積んだ間違いのない腕前による、メキシコの伝統的な家庭料理に留まらない料理を通して、メキシコを感じられる贅沢な体験をしに訪れてみてはいかがでしょう。

食べログレビュアーのコメント

Marie⭐︎
シロナア風シュリンプタコス   出典:Marie⭐︎さん

『- シロナア風シュリンプタコス・セット
 (エビのタコス、ケールサラダ又は本日のスープ、自家製ドリンク-アグアフレスカ)

– カルニータス・トルタセット
 (豚バラ肉のメキシカンサンドウィッチ、ケールサラダ又は本日のスープ、自家製ドリンク-アグアフレスカ)をオーダー。食後に、

– 手作りジェラート(アイスクリーム)

– メキシコ風コーヒー ( シナモンと砂糖入り。たっぷりの量)

を頂き、その後、シェフの計らいで、

– メスカル (アガベから作る蒸留酒。40度以上。。)

を食後酒として、味見させて下さいました。

サラダは鮮度の良いお野菜をメキシコ人らしきカラフルに盛り付け。
(スープのポタージュも丁寧に作られた優しい味でした。)

トルティーヤは、お店で手作りしていますので、風味良くモチモチ。ナンのような柔さと温かさ。ソースや具材も何種類も手作りして重ねているので、いわゆるファーストフード的なタコスやサンドイッチとは別格。エビや豚は火加減も良くゴロリと入り、辛さも前面には出ておらず、奥深い味わいです。

セットでついてくる自家製のアグアフレスカと言われるフレッシュドリンク(この日はレモンで作ったそう)を口に含むと、スッキリ、さっぱり。

なるほど、全てが丁寧に手作りされていて、本当に美味しい』(Marie⭐︎さん)

2208c9
どの料理も彩り豊か   出典:2208c9さん

『オープンから2回伺いましたが、またすぐに行きたい!
彩り豊かな品々は目でも楽しめます。
どれも美味しいですがホロっとした火入れが絶妙な豚肉をのせたタコスを、modeloという爽やかなメキシカンビールと一緒にいただくのが堪りません。
コースの一品目に出していただく濃厚なスープも寒い日に染みます。
駅からは歩いて10分もかからない程度の距離で、路地をまがった所にあるので隠れ家的雰囲気もあり使い勝手が良さそうです。
マットなグレーを基調にした内装もとってもお洒落。
シェフはメキシコの方ですが、日本語も勉強されていて優しい口調がとっても好印象。スタッフさんは日本人の方がメインで、一皿一皿丁寧に説明してくれるのでお料理がより楽しめます』(2208c9さん)

※価格はすべて税込・サービス料別。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しております。 営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

文:佐藤明日香