定食王が今日も行く!Vol.39

花より定食!キャベツの季節に回鍋肉の山を登れ!

 

春キャベツの季節!花見ついでに

毎日100食は出る伝説のホイコーロを

 

お花見で週末は街に人が溢れている季節。花より団子主義としては、新じゃがといった春野菜に初ガツオなど、季節の食材が気になる季節だ。中でも甘いキャベツを美味しく食べられる定食といえば、伝説のホイコーロを出す「えぞ松」だ。元々はサッポロラーメンを提供するラーメン専門店としてオープン。10年ほど前から、近隣にある法政大学の学生が多かったため提供を始めた、山盛りの回鍋肉が話題になり、「飯田橋名物ホイコーロ」の店として有名になった。

 

本店は飯田橋にあるが、味わい深い「神楽坂店」の方についつい足を運んでしまう。店内はカウンター席しかなく20席もないほどだ。向かい側からでも「飯田橋名物ホイコーロ」の看板が目に入る。

カレーのようにぶっかけた

山のようなホイコーロ

 

他にもレバニラや野菜炒め定食などが提供されるなかホイコーロ定食だけが、ご飯にぶっかけて出てくる。ライスマウンテンに豚肉とキャベツの山が覆いかぶさった峻峰の頂上を目指せ!と言われているようだ。挑戦心を煽られる冒険家のような気持ちになる。そこに山があるから登る無心の登山家のように、回鍋肉の山に挑む!

とにかくすごい量なのだが、ご飯にかけることを前提にしているので、油っこくない。シャキシャキのキャベツとボリュームたっぷりの豚肉が心地よい。およそ650g程度あるそうだ。

 

回鍋肉とは英語でTwice Cooked Porkと言われ、二回調理することを意味した中華料理なのだが、実はあえて本格的な中華のレシピにはしておらず、先代が肉野菜炒めを、カレーライスのようにご飯にかけて食べられるように、お腹をすかせた学生さんたちが、たらふく食べられるように、ということでこの形、このレシピ、この味が完成したそうだ。だから「回鍋肉」ではなく「ホイコーロ」なのだそう。この店オリジナルのメニューなのだ。

 

飲みの締めには両方食べたい!

カレーとラーメンセットで!?

 

このお店のもうひとつの名物がカレーだ。入り口の看板にもある「意外にウマイラーメン屋のカレーライス」。程よい具の大きさといいとろみといい、見た目やひとくちめは、お袋のカレーのような懐かしさ。オーガニックさのかけらもない真っ赤な福神漬けも昭和を思い出す名脇役だ。しかもこのカレー、ラーメンとセットでいただくことができる。飲みの締めはラーメン派とカレー派で分かれるが(ラーメン派の方が圧倒的に多いが、個人的にはカレー派だ)その両方を食べられる夢のような店なのだ!

もうひとつこの店の隠れた名物は、ホイコーロをラーメンにぶっかけた「回鍋肉玉麺」だ。豚肉にキャベツ、目玉焼きに刻みネギが山盛りだ。あっさり目のスープに、ホイコーロの濃いめのソースが溶け出してたっぷりコクが出ており、回鍋肉の新しい楽しみ方を提案している。なかにはご飯を合わせて頼んで、麺と白飯との両方の組み合わせを楽しんでいる人もいる。

 

神楽坂店は、カウンターしかない店だが、カウンターが一列全員、ホイコーロを食べていることも珍しくない。ここまで回鍋肉を深く追求して、45年以上続けているというスタンスに頭が下がる。

 

定食のインスタグラムをやっていて「インスタグラマーになるコツ」を聞かれることが多いのだが、「筋トレやダイエット」のようなものだと答えている。このえぞ松同様、向き合って、突き詰めて、コツコツ努力して、継続し続けること、以外に正解はないのだ。そんな伝説のホイコーロ、一度食してみては?