〈秘密の自腹寿司〉
高級寿司の価格は3~5万円が当たり前になり、以前にも増してハードルの高いものに。一方で、最近は高級店のカジュアルラインの立ち食い寿司が人気だったり、昔からの町寿司が見直されはじめたりしている。本企画では、食通が行きつけにしている町寿司や普段使いしている立ち食い寿司など、カジュアルな寿司店を紹介してもらう。
教えてくれる人
岡田 浩孝
2008年から大阪の北摂を中心とした食べ歩きブログ「プーさんの満腹日記」のプーさんです。累計3500万PVで関西で屈指の人気グルメブロガー!!! 関西テレビ「よ〜いドン!」や毎日放送「水野真紀の魔法のレストラン」などメディアにも多数出演!!! 365日外食して今は飲食コンサルタントとしてヒット商品を作り続けています。
グランフロント大阪南館にある寿司店
JR大阪駅中央口から徒歩5分以内。グランフロント大阪南館8階という絶好のロケーションに「寿し あや瀬」はある。開店は大阪マルビル地下にて。6年の営業ののち、今年3月、大阪マルビルの建て替えに伴って移転した。店は飲食店フロア内にありながらも、他とは一線を画す凛とした雰囲気だ。
店内はコの字形のカウンターと半個室になるテーブル席。カウンター内正面には、ヒノキ材を使った田嶋木工所の氷式木製冷蔵庫が置かれ、存在感を放っている。「全国から選りすぐりの海鮮を仕入れ、この氷の冷蔵庫でネタを熟成させて、よりうまみを引き出しています」と話すのは、店長の西尾允斗さん。適度な湿度と温度を保つ氷の冷蔵庫は、魚介の熟成に適しているのだそう。
西尾さんは岐阜出身で、1993年生まれ。父親が地元で和食の店を営んでいることもあり、18歳から料理人の道を志した。大阪や名古屋の和食店や寿司屋で経験を積んだという。「あや瀬」は6年目で、寿司を握るのはもちろん、店長として店を切り盛りしている。
寿司は料理も組み込まれたコースで味わえる
寿司はコースで提供。握りのほかに先付や造り、アテもの、茶わん蒸しなどの料理が組み込まれている。夜は8,800円、12,000円、15,000円、昼は5,500円と梅田のど真ん中という好立地にありながらも抑えた価格設定に「会社の母体が大きいので、仕入れに工夫をしています」とのこと。とはいえ、マグロやウニにも力を入れ「今日は青森・今別の本マグロです」と6キロものブロックを披露。塊で仕入れることで、さまざまな部位を提供できると話す。
すし飯は米を季節ごとに厳選し、3種類の赤酢を使用。「やや硬めに炊いて、酸味の利いたインパクトのあるシャリを目指しています」。魚介はどれもひと仕事を施す、いわゆる江戸前のスタイルだ。「レシピもないので、どう出すかは自分たちで自由に考えています」と西尾さん。
プーさん
店長の人柄と赤酢のシャリのおいしさにビックリして通うようになりました。田嶋木工所の冷蔵庫で熟成させたネタの食感や甘みに魅了されました。