【噂の新店】「賛田飯店」

六本木にできた中国飯店の新店

オフィスのようなそっけないドアとすりガラスという意外な外観

ゴージャスな内装と贅沢な食材を多用した本格的中華料理で知られる名門「中国飯店」。その系列店として今年誕生したのが「賛田飯店」だ。立地は六本木交差点から、飯倉片町へ抜ける外苑東通りに面したベストなロケーション。しかし中国飯店系列とは思えない、簡素な外観に赤い文字の看板のみという意外性が面白い。一見するとレストランには見えないため、道行く人も気づかず通り過ぎてしまいそうな不思議な外観だ。

個室のみの店内で周りの目を気にせず食事を楽しめる

人数に合わせて用意される個室は天井が高く、ゆったり使える

とはいえ、よく見れば表にメニューが出されているので、レストランであることはすぐにわかる。店内に足を踏み入れると、これまたとてもシンプルな内装に驚かされる。3つのフロアがあり、一番広い4階はテラス付きの広々した個室。その他もすべて個室で、パーテーションでサイズを自在に仕切れるようになっている。

実はこちら、内装に高額をかけないことで“すべてを食材に注ぎ込む”という試みなのだという。従来の店舗では億単位の装飾を用いているが、それを排除してすべての力を食材と料理に注ぎ込むというのだから、驚くようなコストパフォーマンスとなるのは必然だ。

大きな円卓のある4階。広いテラスも人気がある

客に寄り添う「枠にとらわれない」コースとは?

前菜盛り合わせ。手前右から時計回りに、ホワイトアスパラのサラダ、蒸しあわび、クラゲの頭の和え物、チャーシューとカリカリポーク

コースはおまかせ8,800円~で、基本のコースは5種類ほど。しかしそれはあくまでも一例に過ぎないという。コースの内容は決め打ちせず、その日のゲストに合わせて組み立てることが基本だ。

「お客様が食べたい食材、調理法、召し上がる量、予算などを最初にお聞きして、1組ごとに満足していただけるコースを作り上げます」というのは店長の李杰さん。柔軟にゲストに寄り添うこと、それこそが名門・中国飯店のホスピタリティなのだ。

調理を手掛けるのは、40年の歴史を持つ三田店の料理長。仕入れる食材なども三田店と共通というから、中国飯店の他の店舗ともクオリティは変わらない。

3種の海老の料理。左から、海老の高菜巻き、海老頭と殻の素揚げ、海老のカレー炒め