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食通が見いだした、今月の新店
新しいお店がどんどん出店し、ますますの盛り上がりを見せる飲食業界。「気になる店が多すぎてどこの店に行ったらいいかわからない!」という人も多いのではないでしょうか。
そこで、グルメ情報に精通している方々に、最近訪れた新店に関するアンケートを実施。特に注目している「今月の新店」について教えていただきました。
今回は、フードパブリシストの高橋綾子さんにお答えいただきます。
教えてくれる人
高橋 綾子
フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレスとして従事した中で肥えた“食”へのこだわりは、その後の素晴らしい人々との出会いと相まっていつしか人生そのものに。その間に培った食のデータと人脈を武器に“喜ばれるレストラン”の発掘に勤しむ日々。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
今月のベストワン
Q. 直近で行った新店の中で、特におすすめしたいお店を教えてください
A. 「肉 おか﨑」です
肉ラヴァーならば何とかして予約を取りたいと思うのが「肉 おか﨑」ではないでしょうか。シェフである岡﨑 睦さんの前職ははいくつかの店を立ち上げ西麻布「イノセントカーベリー」、麻布十番「岡田前」と肉の名店で腕を振るってきました。部位ごとに最適な調理法を知り尽くした岡﨑さんがこちらで提供するのは焼鳥のような“牛串”を中心にした肉料理コースです。スタートする前に披露する「本日のお肉」を見たらもうワクワクが止まりません。今か今かと待っていると岡﨑さんの「お初にお目にかかります」という言葉とともに「ハツの塩焼き」が目の前に置かれます。サクサクとした食感、ピリッと利く和からし、この1本でいきなり胃袋をつかまれます。
その後も千本筋というふくらはぎのタタキやヒレ肉寿司、トロたくならぬヒレいぶりがっこ手巻き寿司、ハラミ串にテール串、シンシンとイチジクの豆乳胡麻だれ和えなど、次々とアイデアあふれる肉料理が出され、店内のあちこちから「おいしい!」「わー!」「すごい!」などの歓声があがり拍手する人も。
クライマックスはシャトーブリアンの炭火焼きと土鍋で炊いたつやっつやの白飯とお漬物とお味噌汁という最高に贅沢な定食です。これには参りました。デザートの山椒アイスクリームも手作りで抜群においしい。おそらくお肉は300〜400gくらい食べていると思われますが、多彩な味わいでまったく飽きることなくペロリと平らげてしまいます。これで食べて飲んで2万円前後! その上「おいしいと言っていただき感謝いたします」とおっしゃる岡﨑さんのお人柄もあって、そりゃ、予約が取れないのも納得です。
Q. 「肉 おか﨑」でおすすめしたいメニューを教えてください
A. 「シャトーブリアン炭火焼きと炊き立てごはん」(コース料理に含む※価格は仕入れによって変動あり)です
ヒレ肉の真ん中の部分であるシャトーブリアンはそのものがおいしいのは言わずもがなですが、焼き方次第ではただやわらかいだけのふにゃふにゃした食感になってしまいます。岡﨑さんが焼くと、やわらかく、それでいて歯切れがいい。噛み締めると脂はじんわりと広がる程度で旨みをしっかり感じます。炊き立てご飯の上にお肉をのせて丼気分で食べる人もいるようですが、私は添えられた塩、わさび、辛子でお肉を味変しながら定食のようにいただきます。そして自家製のつけだれがめちゃくちゃおいしいのでぜひご飯に混ぜて食べてみてください。これで2杯はいけますね。