ラスボス登場! コースのもう一つの目玉「肉寿司」2カン攻め

サーモンの後には西京焼きを挟み、もう一つのコースの目玉である肉寿司のお出ましです。2カンもなんて贅沢ですね!

1カンはバーナーで炙ります。寿司屋さんとは思えない焼肉香が漂います。

炙りは醤油を塗り、生(といっても低温調理済)には岩塩をまぶします。何度も言いますがトロではなく牛肉です。

肉寿司兄弟が光をまとって輝いています。8,800円のコースには牛しゃぶも肉寿司も出ないので、やはりここでは上のランクのコースを選ぶべきだとしみじみ思いました。

 

猫田さん

私は若者ではないので肉寿司って最初抵抗があったのですが、肉がやわらかいので魚のネタのようにシャリとなじむんですね。焼肉オンザライスとはまた違い、酢の酸味もほんのり利いて、こりゃイケる。

あ、まだまだ終わりませんよ。肉寿司の後はコハダの握りに蟹餡掛けの茶碗蒸しが出てきて、けっこうおなか一杯です(笑)。コースも終盤戦ではありますが、またもやバーナーで何かを炙っています。こちらは銚子港揚がりの金目鯛です。

スダチと岩塩で。柚子も仕上げにまぶします

金目鯛は意外と若い方に好評なのだそうです。脂乗りマックスで、弾力がありまさに「活かってる!」という食感。岩塩によって身の甘みも引き立っています。

日本酒は「ラベルの面白さ」(もちろん味も重視)でジャケ買い

こんなに呑兵衛なのに、お酒の話をするのを忘れていました。日本酒の品ぞろえも自慢です!と言うので見せていただきましたら「大盃 Macho FUSION80」「天吹(あまぶき)ピンクレディ」「秋という名のもとに」「和和和」など変わった銘柄ばかり……。

その通り、日本酒はなるべく「面白いもの」をチョイスしているのだそう。もちろんクオリティも確かで、寿司と合うことは大前提。ピンクレディは古代米で醸した純米酒で、古米を使った握りとの親和性を考えてのことだそう。

 

猫田さん

西見さんに「趣味は何ですか?」と尋ねると「陶芸で~す!」。アメリカにもいたので「英語も喋れま~す!」。多才ですね……。

雑居ビルの中にあるし、バーのような店内だし、肉寿司なんか出すし、何より社長の松井さんがめちゃくちゃ若いし……。最初は「チャラい店かしら」と思ってしまった(失礼!)のですが、全くの誤解でした!

東京時代から30年も経験を積んできた西見さんは腕も確かで、仕事も丁寧。握りも基本の小手返しから本手返し、たて返しまで全部できるとのことで、相当なテクニックの持ち主です。

何より「カウンター寿司は緊張する」という概念をひっくり返すようなフランクさ。バー感覚で行きつけにしたいものです。ってそんな財力はないので、時間帯によってはちょい飲みOKみたいなスタイルにしてほしいです(と提案してみました)。社長、ご検討ください。

※価格は税込

撮影:竹田俊吾
文:猫田しげる