【ご褒美スイーツ①】「プリンアラモード(いちごバージョン)」1,870円

1品目は「プリンアラモード」。こちらは、11月1日から提供開始となった「いちごバージョン」(春まで提供予定)。

こちらのプリンアラモードはパフェ仕立てとなっており、長いスプーンとカラメルとともにお皿にのせて供される。粉雪のような粉砂糖でおおわれた表面には、自家製プリン、いちご、フランボワーズ、ブルーベリーがトッピングされ、銀粉と緑のセルフィーユが華やかさを添えている。

オーガニックの新鮮な卵を使用して作られたプリンは、硬めで甘さ控えめ。その下の粉砂糖をまとったティラミスクリームと一緒にいただくとちょうどよい味わいになるように調整されている。ここで別添えのカラメルを少し垂らすと、ほろ苦く懐かしい味わいに。

クリームの上部のすぐ下には、薄いスポンジ生地が。いちごやフランボワーズなどの赤い実と濃厚なクリームが相まって、高級なショートケーキのような味わいとなる。

さらに食べ進めると、チョコレートの生地に到達。赤い実の甘酸っぱいシロップを浸み込ませた生地で、味わいに変化がもたらされる。さらにクリームも、ティラミスクリームから生クリームに変わる。フィニッシュは、いちごのコンポートとフランボワーズとブルーベリー。やや苦みのあるチョコレート生地、赤い実の果肉とコンポートが渾然一体となり、至福の時間を締めくくってくれる。

ボリューム満点の大ぶりのスイーツでありながら、味わいに変化がつけられており、最後まで楽しみながら食べ進めることができるストーリー性のある逸品に仕上げられている。

【ご褒美スイーツ②】「フレンチ&ケーキセット」2,860円

2品目は「フレンチ&ケーキセット」。甘いパウンドケーキ5種とハーフサイズのフレンチトースト、飲み物のセットで、人気商品を少しずつ楽しめるおすすめのメニューだ。

せっかくなので焼き立てで供される下段のフレンチトーストからいただくことに。こちらのフレンチトーストは、まずはパンの間に濃厚なカスタードクリームをはさみ、それをアパレイユ(卵液)に浸してフライパンでこんがりと焼き上げる。表面に砂糖をかけてバーナーで炙り、香ばしくブリュレ状に仕上げ、さらに粉砂糖をまとわせている。

まずは、そのままで。卵の味わいがしっかりと感じられる濃厚な味わいに、キャラメリゼされた表面の香ばしさがアクセントになる。次はクリームをのせて。こちらのクリームは、軽やかで甘さ控えめのホイップクリームで、濃厚なフレンチトーストとの相性が抜群。クリームの下にはバニラアイスが。こちらは、少しシャリッとしたシャーベット状で、軟らかなフレンチトーストとの食感のコントラストがgood!

最後は、赤い実とともに。こちらはいちご、フランボワーズ、ブルーベリーをベリーソースでマリネしたもの。甘酸っぱさがフレンチトーストとよく合い、さらにミントが口中に爽やかさを運んできてくれる。

次は上段のパウンドケーキに移ろう。5種類のうち、テリーヌショコラ、和栗のモンブラン、クレーム・バニーユの3種は定番商品として通年登場。2種が季節商品となっており、取材時はパンプキンとポワールフィグがお目見え。こちらのお店のパウンドケーキは「生パウンド」。一般的な焼き菓子としてのパウンドケーキとは一線を画する、生菓子のようなパウンドケーキが人気だ。

まずは、季節商品2種をいただく。「パンプキン」は、しっとりとしたクリーム状で、あっさりとした味わい。シナモンがアクセントとなっている。洋梨といちじくを使用した「ポワールフィグ」は、ふんわりとした食感で、小麦粉の旨さも感じられる生地。

続いて、定番商品3種。「クレーム・バニーユ」は、バニラの利いたカスタードクリームをメープル風味の生地で包み、表面をキャラメリゼしてパリッと仕上げたもの。味わい、食感とも絶妙で、オープン当初から一番人気を誇るというのもうなずける。「和栗のモンブラン」は、宮崎や熊本の和栗をごろっと入れた生地の上に、生クリーム、裏ごしした和栗をたっぷりと絞ったもの。生地が甘さ控えめで和栗の旨みを堪能できる。

「テリーヌショコラ」は、濃厚な味わいの生地と軽やかなシャンティークリームの組み合わせで、〆に相応しい逸品となっている。店頭では、常温でも日持ちのする「焼き菓子パウンドケーキ」も販売されており、こちらは手土産や贈答品にも気軽に持って行ける。

元町本店のすぐ横には、クロワッサン専門店「ミセス パブロフ ベーカリー」も今年7月にオープン。こちらも合わせて覗いてみたい。

※価格はすべて税込

撮影:外山温子

文:猫井登、食べログマガジン編集部