【THEご褒美スイーツ 〜知っておきたい通な店〜】

「食事と同じくらい、むしろそれ以上にデザートやスイーツにも絶対手を抜きたくない!」と、日々おいしいスイーツを探し求めるスイーツガチ勢の皆さんにお届けする本連載。スイーツの歴史研究のみならず、製菓にも精通するお菓子の歴史研究家・猫井登さんが「これを食べるために出かける価値あり!」と太鼓判を押す、ご褒美スイーツを紹介します。

〈第8回〉「パブロフ 元町本店

「パティスリーパブロフ」は、全国でウェディング事業を手がける株式会社BPグループが2012年、横浜・元町にオープンしたお店。現在は元町本店のほか、GINZA SIX、横浜ベイクォーター、六本木、虎ノ門にも店を構える。

店名は、有名な実験「パブロフの犬」から。一度味わったら、名前を聞くだけで口の中にふわっと甘い香りが広がる、そんなケーキを届けたいとの思いから名付けられた。コンセプトは「パリの街角でふと見つけたおしゃれなケーキ屋さん」。元町本店は「食べログ スイーツ EAST 百名店」にも選出される人気店で、みなとみらい線 元町・中華街駅からほど近く、大通りから一本入った静かな通りに佇む、瀟洒でシックな造りの店構えとなっている。

お店に入ると、正面には人気商品のパウンドケーキの詰め合わせが陳列され、右手が生菓子のショーケースとなっている。ショーケース中央には季節限定の商品が並び、その両脇に定番の人気商品である「クレーム・バニーユ」「和栗のモンブラン」といった定番商品がラインアップされている。

こちらのお店のグランドエグゼクティブシェフを務めるのは、近藤康和氏。近藤氏は東京都生まれ。1990年に渡仏し、パリの「ジェラール・ミュロ」では日本人初のシェフパティシエとして活躍。パリコレクションのスイーツなども手掛けた。帰国後は国内有数のホテルでシェフパティシエを務めた後、BPグループのグランシェフパティシエに就任。芸術的かつ繊細なウェディングケーキやデザートの統括を行うほか、パティスリー「パブロフ」「ミセス パブロフ ベーカリー」のシェフとして、新たなジャンルのスイーツを追求している。

本日のお目当ての「カフェスペース」は入り口から左奥に広がっており、2人掛けのテーブルが2つほど配された落ち着いたスペースと、華やかな装飾が施されたメインスペースで構成されている。柔らかな若緑色の壁面で構成されたメインスペースの中央には、大きなソファーとローテーブルが配され、その両側の壁面には、背高のシックなソファー、テーブルとゆったりと座ることのできる肘掛け椅子が配されている。