一品料理の後は自慢のにぎりをお好みで

自慢のにぎりは、赤身、光り物、白身、いかやたこ、貝類、海老類と毎日20種以上。巻物も定番の鉄火巻やしんこ、かっぱのほか「奈良漬けアテ巻き」などオリジナルの巻物もある。何を食べるかと迷ったら、森口さんに相談してみるのもいいだろう。

中トロにぎりには、刷毛でさっと醤油をぬって

修業先で学んだ丁寧な仕事はそのままだが、自身の思う最良を突き詰める。その最たるものが、シャリだという。京都の米専門店「八代目儀兵衛」から仕入れる島根県産のきぬむすめに、香りの強い赤酢、やわらかな風味の米酢を独自の配合で加え、まろやかな味わいのシャリに仕上げる。米の粒立ちがしっかり感じられることに加え、全体がまとまってネタの味わいを引き立てる。熟練の職人だからこその上質なにぎりは、口あたりが良く、何貫も食べたくなる。

かつては憧れた寿司職人の所作が、今はしっくりと馴染んでいる。おまかせで握ってもらうのもいいし、その日のネタを確認して、好みのにぎりを握ってもらうのもいい。森口さんが、人懐っこい笑顔で、的確にアドバイスしてくれるから。

白身は、シマアジやハタ、ホウボウ、メイチダイなど。にぎりは1貫440円~
コハダやイワシ、ニシン、サンマなど光り物は、塩をしてから酢で〆る
ボタン海老や赤海老、甘海老など生の海老は、ねっとりとしてシャリの酢とよく合う