川井さんが心を奪われた、とっておきの一貫とは?
寿司店でひと通り握りを堪能すれば、かならず「その日の一番」に出合うはず。川井さんが特に印象的だったと話すのは、初夏から初秋にかけて旬を迎える鰯。「5月くらいの小肌は身がスカスカになってしまうのですが、その時期の鰯は脂ノリがよくて本当においしい。小肌と新子のつなぎの時期にお出しすることが多いです」と五十嵐さん。
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皮の下にたっぷりと脂をたたえた鰯。“下魚”と言われたのもいまは昔。同店では小肌と同じように塩で締めて2日間寝かせ、味をなじませて提供。脂ノリが豊かな鰯は主役を張るおいしさだ。
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川井さん
寿司店でこんなに鰯がおいしいと思ったことがなかったので感激。旬の夏の魚を工夫して食べさせてくれるのがうれしいです。
店主の故郷の日本酒が勢ぞろい。寿司に寄り添う酒のラインアップにも注目
せっかく寿司を食べるなら、日本酒とともに味わいたいという人も満足するラインアップ。現在は、五十嵐さんの故郷の山形県を中心とした日本酒を4〜5種そろえる。最近は“吟醸王国やまがた”として国内外で知られるとあって、やわらかな酒質で魚のうまみを引き立てる銘柄が多数。つまみとともに、ほろ酔い気分で心地よい時間を過ごしたい。
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川井さん
握りだけで楽しみたい人はそれでもオッケーだし、おつまみも楽しみたければ、その分量も気分とお腹具合によって対応してくださるのがとてもありがたいです。丁寧な仕込みと研ぎ澄まされた技を目と舌で実感してください。
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握り寿司が発祥したと言われる両国で、日本が誇る伝統的な食文化を真心こめて伝える良店。今は夜の営業のほかに、土曜のみ同様のスタイルで昼営業も。“寿司バブル”はまだまだ継続の予感だが、だからこそ、くつろぎながら正統な江戸前の仕事を堪能できるありがたさが心に染みる。自腹で通いたい真っ当な寿司店の筆頭格として、ぜひ覚えておきたい一軒だ。
※価格はすべて税込