おしゃれフードトレンドを追え! Vol.9

若者も大人も夢中!韓国フードに今またハマるのはなぜか?

昨年は女子中高生を火付け役にチーズタッカルビが大流行だった。今年もチーズタッカルビの人気は衰えることなく、今でも新大久保に行くと「市場タッカルビ」などは150分待ちだったりするし、有名店「でりかおんどる」も夜は行列必至だ。韓国食材が揃うスーパーは連日大混雑でなかなかスムーズに買い回るのが難しい。「このお菓子ハマるよね!(蜂蜜系が流行り)」とか「このお茶いいよね」「このネイルね~」なんて話しながらハングル文字だらけの食品や雑貨をカゴにどんどん入れている女子たちが、なんとも慣れていてかっこいいこと。そんななか、最近ではファッション&ビューティー業界の人々も東京のコリアンタウン新大久保に足繁く通い、渋谷や麻布の韓国フードをハシゴしているとの情報を得た。

「韓国カルチャーを知らないとマズイ」時代に

コスメにアイドル、美容整形。キレイでかわいくてプチプラで、外国なのにアジアだから親しみやすくてついハマってしまうのが最近の韓国カルチャーだ。美意識が高いおしゃれ女子が食いつかないはずがない。私の友人にも韓国カルチャー通が多く、ハングル語を自由に操る人もいれば、韓国カルチャー好きが高じて情報サイトSHELBEEを自ら立ち上げ、毎月のようにソウルに飛んでいる友人もいる。このサイト、韓国のファッション、食、ビューティー、アイドル&エンタメが一気に分かるとファッション・ビューティ業界でも話題になっているようだ。

 

今回のコラムのためにおしゃれ業界の友達に「韓国料理のおすすめ教えて!」と尋ねたところ、待ってましたとばかりに1人5軒は挙げてくれた。おしゃれな人は、誰もが自分のイチオシ韓国料理を持っているようだ。接待向きのきちんと感ある韓国料理店もあるが、今の気分は安くて美味しくて楽しい店なのだ。

おしゃれ業界人が夢中になる韓国フードはここ!

焼肉×モダンコリアン PANCHAN

写真:お店から

 

韓国語でおかずという意味のパンチャン。その名の通り家庭料理を小皿でつまみながら、絶品焼肉を楽しめる。A5ランクの焼肉とカンジャンエビ(1匹200円)がおすすめだ。お洒落な一軒家レストランで、カフェのような女子ウケする内装も魅力の一つだ。焼肉らしからぬお洒落さとゆったりした雰囲気で、わざわざ三田まで行く価値あり。

 

980円トッポッキ 食べ放題

写真:お店から

 

新大久保駅から少し離れた場所にある、モダンな内装の店。1時間980円、1時間半1,380円と滞在時間で料金が決まる面白いシステムの食べ放題。最初に時間を決めてからセルフで好きな鍋食材を選んでいくのだが、鍋(トッポッキ)が煮えるまでの時間にキムチ、キンパ、おでん、などなどサイドメニューを選ぶのも楽しい。バイキングで好きな鍋が作れる店が最近ソウルで流行っているが、そのスタイルの店が日本にもやって来たなという感じだ。少しづつ色々食べられることが楽しく、友達と行くと盛り上がる。

グレイス麻布十番店

ちょっとお姉さん系のブランドPRやヘルシー好き美女には、麻布十番の「グレイス」がオススメだ。こちらの参鶏湯は若鶏の中に、朝鮮人参やナツメなど、漢方として使われている食材を詰めて、滋味たっぷりのまろやかなスープで長時間煮込んだもの。スプーンですくえば柔らかくなったお肉が骨からスルスルと取れて、口に入れれば優しい味がふんわりと広がる。その優しい味に日頃の疲れも一気に吹き飛んでしまう。昨年だけでもファッション誌「FIGARO japon」「ELLE japon」「POPEYE」などで紹介され、今やおしゃれ業界人の疲れを癒やしてくれるメニューとして人気だ。

 

韓国亭豚や 渋谷二号店

出典:ケロsaruさん

 

渋谷、原宿界隈に勤めるアパレル会社勤務の女子たちは、展示会(新作ファッションのお披露目&受注会のこと)やイベントの後はスタッフみんなで「韓国亭 豚や」に行くのが定番だ。サムギョプサルと韓国家庭料理の店は、とにかくたっぷりのボリュームとコスパが最高! サンチュセット、ネギサラダ、 お通し3品、イイダコ(辛口)、スンドゥブチゲのサービス付きで、1,920円。店員さんが上手に焼いてくれるジューシーなお肉、お代わり自由な野菜、たくさん飲んでも4,000~5,000円あれば十分というお店に、アパレルっ子たちが飛びつかないわけがないのだ。

 

やさい村大地 本店

写真:お店から

 

とにかく野菜の種類がすごい!と女性たちを熱狂させているこの店。15種類以上の野菜がお代わるわり自由のサムギョプサル、日替わりで4種類のおかずや食事がついて、その満足度はかなり高い。鉄板ではなく炭火で焼くからお肉もふっくらジューシーだ。「韓国人が細いのはお肉を食べたらその3倍お野菜を食べているからよ」とソウルのおばちゃんに教えてもらったことを思い出す。

私たちが韓国フードにハマってしまう4つの理由

そして考えてみた、どうしてファッション業界人たちも韓国フードにハマるのか?と。答えは簡単、①ヘルシーだから(これは譲れない)、②スパイシーで異国的だから、③小皿がお代わり自由でワイワイ豪快にやっても低価格だから、④カジュアルなのに通な感じを演出できるから。もはや好きにならない理由が見つからないのだ。

 

しかし一昔前(15年ほど前)、韓流ファンといえば「ヨ○様~!」と涙目で叫んでいるおばちゃんだらけだった。アカスリも痛いし気持ちいいとは当時は思えなかった。その後、少女時代やKARAの時代も過ぎ去り、おしゃれとは程遠いイメージだった気がする。それが一転、2017年からの10〜20代の若いおしゃれ女子たちの盛り上がりのすごいこと。黒髪ロングに真っ赤な口紅、K-POPアイドルのような格好が懐かしくてちょっとダサくてかわいい…。さすがにいい大人がTWICEのような格好は真似できないが、このレトロポップな雰囲気になぜか惹かれてしまう。

 

平昌五輪真っ只中の今、最低気温がマイナス19℃なんて聞くと尻込みしてしまうが、暖かくなったら食と美容の探索にソウルに行ってみようか。美顔とよもぎ蒸しとコスメ探しと、アワビ粥と生マッコリも外せない。ソウルで流行りの鍋バイキングも食べてみたい。ついこの前まで「なんだかダサいなあ」と思っていた私だが、今ではすっかりそのちょっとダサいところも大好きになっている。ダサくて古いが、今新しいのだ。一人当たりの野菜消費量が世界一といわれる韓国。女性たちの美意識の高さも見習いに行ってこよう。