〈極上のうま辛グルメ〉

グルメな人が愛してやまない“うま辛”な逸品を紹介する「極上のうま辛グルメ」。刺激的な辛さのその先にあるうま味こそが食べ慣れた大人たちの心をとりこにする秘訣なのかもしれない。

今回は食べロググルメ著名人の山本憲資さんがおすすめする、埼玉・戸田公園にあるカレー店をご紹介!

教えてくれる人

山本憲資

Sumally Founder&CEO。1981年生まれ。大学卒業後、広告代理店を経て雑誌『GQ JAPAN』の編集者に。テック系からライフスタイル、ファッションまで幅広いジャンルの企画を担当。コンデナストを退職後、自ら起業、現在に至る。スマホ収納サービス『サマリーポケット』が好評。食だけでなく、アートやクラシック音楽への造詣も深い。

この看板を見てハッとした人も多いのでは? 移転後も行列の絶えない人気店

「チリチリ」と聞いて「よく通ったなぁ」と懐かしく思う人も多いのではないだろうか? それもそのはず、渋谷駅近くの明治通り沿いで17年間も営業していた人気店なのだ。

そもそもは今と同じ戸田公園で店をオープンさせたが「戸田にしてはおいしいね」といわれることに納得できず、それならば東京でうまい店になってやろうと、渋谷へ移転したという。

渋谷時代を彷彿させる看板に変わらない店の存在を感じさせる

その唯一無二のおいしさに魅せられたファンは多かったが、4年前に店主夫妻の住居のある戸田公園へと戻って来た。

「年を重ねて体力的に通勤がきつくなったことが理由です」と店主の田崎克成さんは笑う。地元・戸田市のお客さんはもちろん、渋谷時代の常連も電車で通ってくるほどで、週末は行列のできる人気店として早くも知名度を上げている。

渋谷時代と同じイラストが迎えてくれる

渋谷時代はカウンターのみだったが、新店舗はテーブルもあり、席数は渋谷時代のほぼ2倍。ゆったり食べられるのでビールも楽しめるようになった。

ナチュラルなトーンのカウンターの棚にはスパイスがずらりと並び、白を基調にしたテ―ブル席はシンボルカラーの真っ赤な椅子がアクセントになっている。渋谷時代を彷彿とする黒板メニューも健在だ。

一人でも気兼ねなく利用できるカウンターがうれしい
 

山本さん

移転前は当時の自宅の近くで、よく通っていました。ヘルシーで独特の辛みがクセになり、定期的に食べたくなる味です。

店主夫婦の明るさに心つかまれる常連客も多数

田崎さんは香辛料のメーカーで働いた後、飲食店をやりたいという以前からの思いが募りカレー店を開いたという。

カレーはインドスタイルをベースにしたサラリとしたルウだが、スープストックなどを加えて日本人好みにアレンジしている。身体に優しい上質の食材を選び、油を極力控えるなど、お客さんに健康的なものを出したいという思いが強い。「身体が軽くなった」「体調が整った」という声も上がっているという。渋谷からは遠くなったが、時々食べて体を整えたいと足しげく通ってくる常連が多いというのも納得だ。

店主の田崎克成さんと美幸さん
 

山本さん

アルバイトも入れずずっとお二人でやっていらっしゃいますが、時々白熱して口論をする場面も。ご夫婦のかけあいが最高です。

可能性は無限大! 自分好みのアレンジを探すのが楽しい

メニューはスタンダードな中辛の「カレー」と辛口の「マサラ」でそれぞれ具が9種類。チキンやポークのほかに、レンズ豆、チャナ豆、トマトなどヘルシーな具が多いのは珍しい。中辛はほどよい辛さでバランスが良いが、辛いもの好きならマサラがおすすめだ。

手書きの黒板メニューも親しみやすい

マサラの辛さ増し「激辛」プラス50円と「超激辛」プラス70円もあるが「最初はぜひそのままで味わって欲しい」と田崎さんはいう。初めてはオリジナルの味をまず知って欲しいからだ。トッピングも豊富でチーズやトマト、ほうれん草、エビ、ゆで玉子など9種類もある。どのトッピングもそれぞれ相性がいいので、何度も通って自分好みのカレーとトッピングの組み合わせを完成させるのもお楽しみだ。常連の中には、“この組み合わせ“と決めている人も多いのだそうだ。

 

山本さん

ヘルシーなテイストで、他に例えようがないような、チリチリでしか食べられない味をぜひ味わってみて欲しいです。