幻の「豪麺」。一口食べるごとに、クセになる味わいが増す
井島さんは手打ちうどんをはじめ、他にはない味を求めて多くの麺を手掛けてきた。中でも人気となったのが今回紹介する「豪麺」。北海道、埼玉、群馬など5つの地粉をブレンドした風味豊かな「豪麺」は、もっちりした手打ちうどんとは異なり、つるりとしたのどごしとしなやかなコシを兼ね備えている。
運ばれてきたらまずはそのまま食べてみてほしい。滑らかな麺は噛みしめると小麦の香りと旨味が広がり、ツルリとのどに落ちていく。うどんともラーメンとも異なる唯一無二の味わいに、ハマる人が続出というのも納得だ。
山本さん
ラーメンのような麺ながら、あくまでうどん。ただし武蔵野うどんの太さではなく、どちらかというと讃岐に近い。むっちりコシのある歯ごたえで、のどごしもくせになります。
麺の仕込み水と同じ山の名水で炊いた、鶏ガラスープや豚骨、和風だしをブレンドした複雑で旨味たっぷりのつけ汁とも絶妙にマッチする。
山本さん
豚骨ベースの濃厚つけ汁で、酸味と辛味がうまく絡み合い旨味に溢れています。チャーシューも大きめで食べごたえがあります。
鮮度抜群の野菜と油を使った天ぷらは必食
麺だけでなく、水や出汁に使う食材、さらには野菜にまで身体に負担のかからない良質なものを選んでいる。スーパーを始める前は車で野菜を売り歩いていたという井島さんだけに、野菜に関しても目利きであり、仕入れに抜かりはない。地元埼玉の農家をはじめ、鮮度のいい良質な野菜を仕入れているという。
山本さん
トッピングの天ぷらをオーダーして一緒に食べるのもおすすめです。
そんな野菜を使った天ぷらも人気だ。「うちの天ぷらはちょっと違うんだよ」と井島さんは胸を張る。揚げ物は油の鮮度が大切と考えているため、油を疲れさせないよう常に鮮度のいい油を注ぎ足すという。からりと軽やかに揚げるために数種類の油をブレンドし、的確な温度で揚げるための工夫も怠らない。
ここで一休み。わざわざ足を運びたくなる
「駕籠休み」という店名は井島さんの故郷・秋田県の地名に由来するという。昔、殿様が旅の途中で駕籠を止めて休んだという絶景の場所のことなのだそうだ。そんな気持ちの良い小休止ができる場所でありたい、このネーミングにはそんな思いがこもっているのだ。
日本中どこにもない、オリジナルの「豪麺」は並んででも食べる価値のある一品。うどん好きならずとも一度は足を運んでみたい麺の名店である。