ガッツリと混ぜて食べる冷やしたぬき

とことん冷やされたそばの上には、油揚げ、揚げ玉、ネギ、ゴマ、卵の黄身、昆布の粉末、わさびをのせる。驚いたことに、揚げ玉は食感や食べやすさを吟味して、冷やしたぬき専用にわざわざ作っているという。

トッピングなしでも十分なボリュームの「冷やしたぬきそば」1,100円

真ん中にある卵の黄身を潰してよく混ぜ、具材とそば、つゆを絡ませる。油揚げの甘辛いジュワッとした風味や揚げ玉の絶妙なカリカリとした歯応え、昆布の優しいアクセントが合わさり、食べていて、とてもおもしろい。わさびは清涼感をプラスしたい時に、少しそばの上に付けて食べるのがベター。

綺麗にトッピングされた具材とそばを思いっきり混ぜて食べるのが流儀
 

秋山さん

「冷やしたぬきそば」が岐阜のソウルフードというのも驚きですが、ありそうでなかったこの食べ方はとっても好みです。自家製麺の細めのそば自体もおいしくて、つゆと具材のマッチングで、クセになる味ですね。

温玉のトッピングでダブル卵に。よりマイルドな味わいに変化する

定番の冷やしたぬきは11種類のトッピング(100〜500円)でカスタマイズもできる。岐阜の店ではトッピング類は卵のみだが「ひやてんLABO」では好きな具材でアレンジできるのが楽しい。パクチーは予想をはるかに上まわる、相性の良さにビックリする。

この日のコロッケはラム肉とパクチー。コロッケの中身は時々変わるそう
 

秋山さん

天かすと生卵とネギと大量のいりごまをよく混ぜて食べるとさまざまな食感を口の中で感じられて楽しくおいしいです。油揚げも入っているのもうれしくて、コロッケやつくねや角煮やソーセージカツのトッピングもできるので、ガッツリ食べたい人にも良いと思います。

そば前を楽しむ

数種類の日本酒を取りそろえているので、そばの前におつまみをいただくのもおすすめ。お店イチオシの「手羽蕎麦がき揚げ」は、手羽先の中に鶏の出汁で下味を付けたそばがきを入れ、カラッとサクサクに揚げた一品。鶏肉のジューシーな味わいとそばの優しい風味が見事に調和している。そばがきと手羽先ってこんなに合うの!? と予想以上の満足感だ。

2度揚げしているので冷めてもカリッとした食感が残る「手羽蕎麦がき揚げ」2P 780円

ほかにもディナータイムでしか食べられないそば粉を使ったタコスやプリンなどもあり、多彩なそば粉料理が好評の「ひやてんLABO」。トッピングも、全部のせて一度に食べるのには無理があるため、何回か足を運んでみたくなる。近所にあったら常連になってしまいそうだ。

※当面の営業は2023年12月までを予定。
※価格は税込。

文:千葉英里、食べログマガジン編集部
撮影:千葉英里