教えてくれる人

はなとも
日本スイーツ協会認定のスイーツコンシェルジュ。スイーツ専門のライターとしてさまざまなweb媒体で記事を連載中。著書「スイーツ男子はなともの I love パンケーキ」(KADOKAWA)、はなとも監修パンケーキミックス粉、その他、監修商品やコラボメニューなど多数。前職はお花屋さんという異例の経歴を持つ。

スイーツ好きが足しげく通う、東京・巣鴨の名店「パティスリー ヨシノリアサミ」。
フランス・アルザス地方の伝統菓子や、フランスでも評価されたアイスクリームなどのこだわりのスイーツは、まるで魔法のようなおいしさです。中でもりんごとキャラメルを合わせたケーキは、甘味と苦味のバランスが絶妙で、ひとくち食べれば感動するほど! 一度食べると間違いなくハマる、そんな絶品スイーツを今回も紹介します。

昔から馴染みのある土地・巣鴨に念願の店をオープン

「パティスリー ヨシノリアサミ」は、JR巣鴨駅から徒歩約5分。駅前の白山通りから少し奥に入った住宅街の一角にあります。

入口の看板に描かれているのは、フランス・アルザス地方のシンボル「コウノトリ」。これはオーナーパティシエの浅見欣則氏がアルザス地方で修業をしていた(ゆかりのある)ことを表しているそう。ちなみにくちばしにくわえているのは、アルザスの伝統菓子「プレッツェル」を独自にデザイン化したもの。浅見シェフのイニシャルとアルザスの頭文字である「A」を表しているそうです。

オーナーパティシエ・浅見欣則氏

浅見シェフは東京製菓学校を卒業後、元赤坂の明治記念館に勤務し、その後渡仏。オートサヴォワのMOF(フランス国家最優秀職人章)店「パトリックシュバロ」やアルザスの「ダニエルレベー」で研鑽を積みます。その後、アルザス・ストラスブールにある老舗パティスリー「キュブレー」で、シェフパティシエとして10年以上勤務しました。アルザス在住中は、ドイツやフランスで開催されたコンクールに出場し、優勝・準優勝という輝かしい成績を収めます。2011年には、MOFコンクール「グラシエ(氷菓)」部門で、外国人として初めてファイナリストに残る快挙を成し遂げました。帰国後は、日本洋菓子協会連合会公認技術指導委員に就任。そして2015年に同店をオープンしました。

メリハリを利かせフランスらしく。美しいスイーツの数々

そんな浅見シェフによるお店は、アルザス地方の雰囲気を感じさせる内装がとっても魅力的。店内にはプレッツェルの風船やアルザスの銘菓として知られるクグロフ用のカラフルな陶器などが飾られ、まるで本場アルザスの菓子店を思わせる、素朴ながらもおしゃれな空間が広がっています。

ショーケースには、伝統のフランス菓子をはじめ、旬のフルーツを使ったカラフルで美しいスイーツがズラリと並んでいます。日にもよりますが、約25種類のケーキを用意しているそうです。

浅見シェフ曰く、お菓子は苦味がポイントで、そこに甘味と酸味を加えることで、メリハリの利いたフランスらしいケーキになるのだとか。季節感を大事にすること、そして、甘味・酸味・苦味をしっかりと表現しながら商品を作り上げているそうです。

今回はそんな同店こだわりスイーツの中から、僕がおすすめしたいとっておきの2品を紹介します。