【カレーおじさん\(^o^)/の今月のカレーとスパイス】2023年2月を振り返る

寒さも和らいできましたが、花粉症の季節に突入です。花粉症の対症療法としては様々なものがありますが、腸内環境を整えるのも重要と言われています。腸内環境を整えてくれる食事と言えばカレーです。実際僕は薬も効かないくらいに重度の花粉症だったのですが、毎日カレーを食べるようになってからは症状が改善し、毎食カレーを食べるようになってから症状が軽減しました。今では薬さえ飲んでいれば何とか日常生活は過ごせるくらいです(あくまで個人の感想です)。スパイスは薬膳。体調管理が難しい時期ほど摂取していきたいものですね。

というわけで今月のカレーとスパイス。

  1. 隠れカレー激戦区幡ヶ谷に誕生した南インド料理の新名店
  2. レトロ好き必見。和食の名店出身シェフが腕をふるう新宿の穴場喫茶店
  3. 元プロボクサーによる薬膳カレーのお店が曳舟に舞い戻り移転
  4. 予約が取れない千葉の超人気カレー&パフェのお店に行けるチャンス

以上4店舗のご紹介。おいしいものをしっかり食べて、ちゃんと睡眠時間をとることが健康の基本です!

【第1週のカレーとスパイス】新店にして名店級のクオリティ! 変幻自在のインド料理店「タンジャイミールス」が幡ヶ谷に誕生

カレー激戦区にも色々とありますが、幡ヶ谷もかなり多くの有名店や隠れた名店がひしめき合うエリアです。そんな街に新たな名店が生まれました。その名は「タンジャイミールス」。

ミールスの名前がつくことからもわかるように、南インド料理のお店です。実はこちら、祖師ヶ谷大蔵の名店「スリマンガラム」にいたシェフが新しくスタートさせたお店なのです。

商店街にあるビルの2階に上ってお店に入ればなかなかの広さ。キッチンも広いのが見え、だからこその幅広い料理が期待できます。

ランチタイム、せっかくミールスと店名にあるので「ベジミールス」1,450円(ランチ価格)をいただきました。内容も豪華でサンバル、ラッサムをはじめ、カーラコロンブ、クートゥ、ポリヤル、アッパラムやピックルも付き、デザートのセミヤパヤサムも一皿にのる絢爛ミールス。ご飯がポンニライスなあたりにこだわりを感じます。

「ベジミールス」

メインのカーラコロンブはタミルナードゥ州の伝統的な料理で、タマリンドを中心にスパイス感がしっかりと立った輪郭のしっかりしたカレー。野菜料理ですがメインをはれる存在感があります。他はそれぞれ混ぜることを前提としたバランスの取り方で、一つ一つ食べてみれば素材自体の味わいを感じ、混ぜればまたおいしさが重なり、増していくのです。

ポンニライスはふわふわに炊き上げられており、エアリーな食感で軽いのですが、食べ終わった後には十分な満足感を得ることができます。僕自身は肉料理が好きなのですが、野菜だけでこれだけ満足できる料理ってなかなかありません。

「コングチキンチュッカ」

ディナータイムのメニューも見逃せません。「コングチキンチュッカ」1,100円はタミルナードゥ州の中のさらにコングナードゥ地方の料理で、生のココナッツを鶏肉とスパイスと炒め合わせたドライなカレーなのですが、これが実においしい! 生ココナッツはココナッツミルクのような甘みはそれほど感じないミネラルが豊富な食材です。これとチキンの相性が良いのです。チキンのプリッとした食感と生ココナッツのシャクッとした食感が合わさる面白さ。これにスパイスの香り。スターターとしても良いですし、おかずとしても良い一皿です。

「ムッタイカラッキ」

また「ムッタイカラッキ」550円も珍しい仕上がり。わかりやすく言えばオムレツなのですが、インドでは卵の品質が日本とは違うので生や半熟で食べるということはほとんどありません。しかしこのムッタイカラッキは絶妙な半熟具合。

ビリヤニに「ムッタイカラッキ」をのせて味変も

こちらのお店のビリヤニはタミル式でグレイビーが均一に米に行き渡ったものなのですが、このビリヤニにのせると南インド版オムライスのようになって最高です。

シェフはオーセンティックな料理をしっかりと作れる方でありながら、このように良い意味での日本ならではのアレンジもできる柔軟な方であり、様々なアイディアを持っているそうで、ある程度の人数で予約すれば予算に応じてオリジナルの料理も作ってくれるとのことです。気になりますね。

「サウスインディアンフィルターコーヒー」

食後は「サウスインディアンフィルターコーヒー」500円を。シェフ自らエアブレンドしてくれました。甘さはインドのものと比べると控えめですが、これも日本人の味覚に合わせてのことでしょう。

時に優しく、時に激しく、変幻自在の南インド料理。新店でありながら既に都内の名店に負けずとも劣らないレベルの高さです。幡ヶ谷のカレーがますます盛り上がっていきそうです!

【第2週のカレーとスパイス】雰囲気も抜群! 和食の名店出身シェフの手作りカレーが味わえるレトロな喫茶店が新宿御苑前に誕生「新宿喫茶りこりす」

ここ数年はレトロブームが続いていて、僕が昔から通っていた古い喫茶店がいつの間にか大行列となっていることに出くわすこともあります。その雰囲気が若い人には逆に新鮮なのでしょうか。喫茶店は料理以上に空間を提供する場所という意味合いもあるので、既製品をベースにしたものや、業務用の料理をそのまま出すというお店も少なからずあります。それはそれで雰囲気とあいまって良い場合もあるのですが、正直もう少し頑張ってほしいと思うお店もあります。

しかし、今回ご紹介するのは、料理はすべて手作り手仕込みにこだわっているという珍しい喫茶店。新しいお店ですがレトロ感のある「新宿喫茶りこりす」です。

「ホテル たてしな」という昔ながらのビジネスホテルが、コロナ禍で1階の食堂部分を他に貸すことになり、そこに入ったのがこちらとのこと。古いホテルだからこそ、新しいお店でありながら歴史も感じる雰囲気。入口からしてどこか渋さを感じます。

こちらで腕をふるうシェフは若いのですが、和食の名店「懐食みちば」で修業を積んだ方。みちばと言えば往年のグルメファンなら誰もが知る和の鉄人、道場六三郎さんのお店。そこで研鑽を積んだシェフが作るさまざまな料理の中に、カレーも2種類あるのです。

「豆乳トマトカレー」

「豆乳トマトカレー」800円は、豚の肩ロースやひよこ豆がたっぷり入ったカレー。

豆乳というと苦手な方もいるかもしれませんが、こちらのカレーは癖が無く食べやすい味であり、ハーブも使用していて個性も感じるので、マニアでも楽しめるカレーです。野菜も彩りよく、ランチだとスープとピクルスもついてこの価格はかなりお得。

「カレードリア」

そしてもう一つ「カレードリア」1,200円は豆乳トマトカレーとは全く違うカレー。ご飯の上に野菜とオールドスクールな洋食的カレーソースがのり、チーズとパン粉とオリーブオイルでとろりとした食感とサクサクした食感が共存します。喫茶店のカレードリアや焼きカレーに一工夫加えた、進化版と言える出来栄えで満足度が高いです。

「秘伝の唐揚げ」

また、和食出身シェフなので豚の生姜焼きなどの定食もあります。どちらも単品オーダーも可能ということで「秘伝の唐揚げ」600円も頼んでみると、こちらは醤油ベースにブラックペッパーが利いたタレに漬け込んだしっかり味。衣の粉も独自ブレンドでこだわりを感じ、食べてみれば周りはサクッと、中身はプリッとした食感で、噛めばジュワッと肉汁が広がるというクオリティの高い唐揚げでした。

喫茶店ですからコーヒーやデザートもあり、こちらのレベルもそれぞれ高いです。

昼はランチ、夕方はカフェタイム、夜にはバー営業となり、食事はランチとカフェがメイン。夜はチャージもかかるのですが、元々こちらは歌舞伎町にある会員制のバーの姉妹店。そちらのバーも非常に雰囲気が良いお店であり、だからこそこちらの雰囲気も良いのです。喫茶店としても、バーとしてもレベルが高いというわけです。

しかも最近では夜カレーもスタートし、基本は週替わりで昼とは違うカレーも味わえるとのこと。ちなみにこちらは数量限定なので無いこともあるので悪しからず。

新宿の中心エリアから少し離れているので他が混んでいてもこちらは席が空いていることが多く、新宿でゆっくりしたい時にもぴったり。何かと使い勝手が良く、手の込んだ料理を出してくれるお店ですから、チェックしておいて損はありません。