【カレーおじさん\(^o^)/の今月のカレーとスパイス】2023年1月を振り返る

2023年がスタートして早くも1カ月が過ぎました。めまぐるしく世界が動いていく中で、カレー業界もめまぐるしく活性化してきた感があります。そんな1月も様々な形のカレーをご紹介しました。

  1. 知る人ぞ知るカレーのお店2店舗が統合リニューアル。ビールも充実
  2. 東京間借りカレーの新たな激戦区に、先駆けのお店が移転
  3. フレンチとカレーの融合。カジュアルで満足度の高すぎる一軒家レストラン
  4. 在日インド人の父が監修するインド料理的カレーパンと本格的チャイ

どれも思い出しただけでまた食べたくなる料理の数々。寒い季節は特にカレーのスパイスで身体を芯から温めたくなるもの。皆さんも是非味わってください!

【第1週のカレーとスパイス】週2営業の人気店が週6営業に! 昼も夜もカレーとスパイスを楽しめる店に大リニューアル「aperopivo」(アペロピーヴォ)

曜日限定で営業していた銀座の「珈琲とスパイス pivo」が、営業日数と時間を大幅に増やし、店名も「aperopivo」と変えてリニューアルオープンしました。

内装はそのままなのですが、お店としてのスタイルはかなり違います。何しろこちら、元々あったpivoと、築地などで営業していた「東京ライスカレー」のシェフ、さらに長年クラフトビールに携わっていた方の3人で手を組んで始めた新店舗と言っても過言ではない形なのです。

昼は今まで通りカレーのお店ですが、pivoと東京ライスカレーのカレーどちらもメニューにあって、毎日がコラボ営業状態。夜はドリンクオーダー必須のバースタイルで、おつまみとpivoのカレーが昼と違う形で提供されます。

せっかくなので夜に訪問。

「大根のサブジ」

まずはおつまみとして「大根のサブジ」300円と「手作りMIXナッツ」300円をクラフトビールのハーフサイズと共に。

「手作りミックスナッツ」

サブジはさっぱりと、ナッツは濃厚なスパイス使いです。僕は基本的にビールは苦手なのですが、せっかくお店がクラフトビールにも力を入れはじめたところですから、おすすめを聞いてみることに。

「ライジングサン ペールエール」700円(ハーフ)

すると、ベアードブルーイングのライジングサン ペールエールということだったので言われるがままにそちらを飲んでみると、すっきりと爽やかでビールらしさもありつつ苦手な人でも飲みやすいというバランス。おつまみがまた合う。食欲に火がつきました。

ディナータイムのカレーは基本的には夜キーマ1種なのですが、この日は週末特別営業ということで他のカレーもあったので、レギュラーメニューの「夜キーマ&スパイスタマゴ」1,000円と、イレギュラーメニューの「出汁薫るチキンカレー」800円を注文しました。

「夜キーマ&スパイスタマゴ」

まず夜キーマ。これぞpivoのキーマという定番の味で、スパイスによって凝縮させて引き立てられた肉のうま味を感じます。これに卵とチーズで焼きカレー状態になっているのですが、卵やチーズに負けない存在感のカレーなのです。ご飯も通常とは違うバターライスになっていて、お酒を飲んだ後のシメに最高ですね。

「出汁薫るチキンカレー」

出汁薫るチキンカレーは、東京ライスカレーの定番だったもの。かつおだしの奥深いうま味とあえて少し引き算のスパイス加減で、素材自体の持つおいしさをしっかりと感じます。こちらのご飯は昼と同じく玄米と五分づき米を使用したもの。どちらのカレーも夜はハーフサイズなので、2つあってもぺろっといけてしまいました。

「スパイス珈琲」

食後には元々店名にあったコーヒーをということで「スパイス珈琲」500円がおすすめ。注文が入ってからハンドドリップする時間のかかるものなので混雑時は提供が難しいとのことですが、是非とも混んでいない時に味わってほしいおいしさです。コーヒーの香りにカルダモンの華やかな香りとシナモンの甘やかな香りによる三重奏。最高です。

店名であるaperopivoのaperoとは、フランス語のアペリティフの略で本来食前酒という意味ですが、フランスでは夕食前のちょっと一杯を楽しむ時間という習慣があり、そのことも指すそうです。

リニューアルを機に夜に飲みながら軽く食べられるお店としてアピールしたく、店名をaperopivoに変更したと語ってくれました。元々カフェとバーの間のような雰囲気の空間で居心地も良いお店。それが昼も夜も、お酒もコーヒーも楽しめるお店にパワーアップしたのです。

様々なシーンで使えるお店。覚えておいて損はありませんよ。

【第2週のカレーとスパイス】新天地は中目黒。東京の間借りカレー店の先駆者「ガネック」が店内も広々パワーアップ!「肉スパイスカレー ガネック 中目黒本店」

※「肉スパイスカレー ガネック 中目黒本店」は1月30日をもって閉店。2月に越後湯沢で期間限定店が開店予定です。

まだ東京に間借りカレー店が少なかった頃から池尻大橋で間借りカレー店をスタートし、その後渋谷に移転。さらに中目黒へ移転した「肉スパイスカレー ガネック 中目黒本店」。シェフは元々アパレル業界出身で、ネイルサロン経営、アニメグッズ事業など複数の事業を同時に進行しているという面白い経歴の方。

シェフのお友達にインド人がいて、そのお母さんのカレーが元になっているそうで、インド中の色々な街で様々なカーストのカレーを食べまくって出来上がったというカレーがいただけるお店です。

中目黒店は今までのガネックのどこよりも広く、一つ前の渋谷と比べると倍以上あるのではないかというゆとりある空間。

メニューは定番のチキンカレーと日替わりのカレー。この日の日替わりはイベリコ豚のスパイスしゃぶしゃぶカレーでした。せっかくなので「2種あいがけ」1,400円を注文。そしてカレーのみならずご飯もインド米のターメリックライスと玄米の2種類があり、プラス50円で2種をハーフ&ハーフにもできるというので、それもお願いしました。大阪では2種のご飯をあいがけならぬ「あいめし」として盛り付けるお店もあるのですが、東京ではまだ珍しいので貴重ですね。

「2種あいがけ」

さらに「スパイスたまご」100円もトッピングしたのですが、こちらはSNSにガネックでカレーを食べたことを投稿するとサービスでいただけるといううれしいもの。しっかりと投稿してサービスしていただきました。

チキンカレー

まず定番のチキンカレー。肉カレーというとパンチあるガツンとしたカレーを想像しがちですが、ガネックのカレーはあくまで優しいタイプ。肉の存在感はしっかりとありつつ、インドの家庭料理をベースにしているからこその家庭的な雰囲気も感じさせる優しいスパイス使いであり、毎日でも食べられそうなカレーです。重くないのが良いのです。ちなみに添えられたレモンとの相性がとても良いので、チキンカレーにレモンを搾って食べるのがおすすめ。

イベリコ豚のスパイスしゃぶしゃぶカレー

イベリコ豚のスパイスしゃぶしゃぶカレーはインドでは滅多に使わない豚、特にイベリコ豚ということでオリジナル。イベリコ豚ならではの豊かなうま味がグレイビーに広がります。こちらはチキンよりもスパイスが立っていて、2種どちらも肉ですがベクトルの違うおいしさとなっていました。

ご飯も2種類あることによって食感も変化があり、それぞれのご飯とそれぞれのカレーを合わせていく楽しさもあります。特にこの日のターメリックライスはいつもと違う仕上がりで気に入りました。

「自家製ほっとチャイ」

食後に「自家製ほっとチャイ」300円も飲んでほっと一息。

シェフはお酒好きということもあり、昼間からお酒が飲めるお店となっていて、日によってはお酒に合わせるおつまみがあったりすることも。チャイを飲みながらシェフにお話を聞いていると、まだまだやりたいことが沢山ある様子。

現在も様々な事業を進行しながら、その中でソロプロジェクトとしてガネックを運営。かたわらでは寿司屋での修業も始めたそうです。今後はガネックのFC展開も考えているとのこと。近いところでは2月2〜5日は越後湯沢で出張ガネックの予定もあるそうで、どんどん新しいことにチャレンジする姿勢が素晴らしいと感じました。

あれもこれもやっていてはどれも片手間になるのではないかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、あれもこれもやっていくことによってすべてが上手く回せるようになるタイプの人間も少なからずいます。シェフは完全にそちら側。だからこその面白さであり、おいしさなのです。

中目黒は近年間借りカレー店が増えているエリアなのですが、その中でも一日の長を感じるおいしさですよ。