食通たちが選ぶ、2022年に惚れ込んだ名店とは? 4,000軒以上のカレー店を食べ歩いてきたカレー細胞さんが選ぶ、とっておきのお店を教えていただきました。

〈2022 食通が惚れた店〉

新型コロナウイルスによる混乱は続くものの、飲食業界も賑わいを取り戻した2022年。油断のできない状況は続きますが、各店が工夫を凝らし、おいしいものを届けようと努力しています。

そんな2022年に、グルメ情報を熟知した有識者が「最も印象に残った店」や、おすすめの「2,000円以下のお手軽グルメ」などをうかがいました。

今回は、4,000軒以上のカレー店を食べ歩いてきたカレー細胞さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

カレー細胞(松 宏彰)

兵庫・神戸生まれ。国内だけでなくインドから東南アジア、アフリカ南端、南米の砂漠まで4,000軒以上を食べ歩き、Web、雑誌、TVなど各メディアでカレー文化を発信し続ける。年2回、カレーにまつわるカルチャーを西武池袋本店に集結させる「東京カレーカルチャー」など、イベントプロデュースも多数。TBS「マツコの知らない世界」ではドライカレーを担当。Japanese Curry Awards選考委員。食べログアカウント:ropefish

今年のベストレストラン

Q. 2022年、最も印象に残った飲食店を教えてください

A. 「牧谿(もっけい)」です

シェフの水野さんは南インド、雲南料理双方の名店で修業した確かな腕前とともに画家でもある生粋のアーティスト。発酵・スパイス・日本酒ペアリングという要素が高いレベルで融合した抜群のセンスに圧倒されます。

特におすすめなのは「ジャスミン茶羊脳ペースト」。「羊脳」と聞くと「えぇーっ」と思うでしょうが、どんな高級店のパテにも負けないくらいおいしく仕上がっています。炒飯だってインドと中華両方の良いとこどり。何を頼んでも唸る、お酒のセレクトセンスにも唸る。今年何度も通わせていただきましたが、毎度黒板メニューを制覇したい欲に駆られてしまいます。小さなお店なので流行りすぎると困るのだけれども。

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出典:la_la_lasagna*さん

アンダー2,000円のお手軽グルメ

Q. 2022年に食べた〈2,000円以内の感動の味〉を教えてください

A. 「SPICE GATE」の「京風スパイス朝定食」(1,200円)です

京都にあるビリヤニの人気店「INDIA GATE」の2号店にあたるお店ですが、その独自のコンセプトと完成度には目から鱗。そう来たか!「京都の朝のお茶漬け」をインド料理の手法と京の食材で分解再構築。煎茶で炊いたバスマティライスにスパイス副菜、そこにサラリとした出汁カレーをかけることで、未だかつてないスパイス茶漬けの出来上がり。お茶の要素を米に持ってくることでカレーや副菜に自由度をもたらしたその発想がとにかく凄い。カレーマニアもそうでない人も100%満足できる、最高の京都モーニングの誕生です。

写真:お店から

2022年のお取り寄せ

Q. 2022年に出会った、人におすすめしたいお取り寄せを教えてください

A. 「ミニマル 富ヶ谷本店」の「'Arhuaco(アルアコ)」です

カレーだけでなくチョコも好きな私ですが、このチョコレートはまさに至高。世界の様々な産地のカカオを扱い、カカオと砂糖だけで作るというまさにミニマルなこだわりでチョコを作る「ミニマル」ですが、こちらはコロンビアの先住民アルアコ族が希少なカカオ豆のみで作る、シングルオリジンのチョコレート。

粗挽きのカカオから弾ける香りはまさに瑞々しいブドウのよう。「え!これホントに香料使ってないの?」と驚くほどのインパクトです。「カカオはスパイス」をひしひしと感じさせてくれる名品。これは凄い。

写真:お店から

※価格は税込。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

文:カレー細胞(松 宏彰)、食べログマガジン編集部