定食王が今日も行く!
この店名に誘われ思わず入店!マグロの希少部位ホホ肉の絶品ステーキ
暗闇にすっと現れたその店名に誘われて
思わず足を踏み入れた
最近ではめっきりおしゃれなカフェやビストロなどが多く広がるエリアとなってきた千駄ヶ谷だが、意外に老舗も多い。たまたま仕事で北参道へと足を運んだ際に、仕事帰り暗闇の中で一軒のお店の看板が目に飛び込んできた。それが「やっぱりおいしいごはんが一番」だ。思わずその店名に惹かれ、足を踏み入れた。
店内は自分と同じようなサラリーマンや、近所にすんでいる学生のような人たちが黙々と定食を平らげている。奥にはカウンター席があり、お母さんと会話しながら晩酌している男女が数名。自分も含め、おそらく家であまりちゃんと自炊しない、ちょっと自堕落な外食派の人間が集まっているのだろう。そういう私たちを受け入れてくれている、このお店自体がホッとする空間だ。
夜の定食メニューは15種類と豊富だ。定番は豚肉のしょうが焼きだが、看板メニューはなんといっても、マグロのホホ肉テーキだ。メニューを見るとわかるが、肉だけでなく野菜も食べてほしいというお母さんの愛情が反映されていて、肉野菜炒めの比率が多いのだ。どのメニューでも野菜たっぷりなのもうれしい心遣いだ。
漁師の賄いマグロの希少部位を
自家製の醤油野菜ダレと、究極の白飯でいただく!
最初にメニューを見たとき、マグロのホホ肉ステーキとは珍しい!と驚いた。マグロのホホからとれる肉は、もちろん1匹から2枚。80~100g程度しかとれないといわれる大変希少な部位。スーパーではなかなか手に入らない幻の部位なので、食べに来る甲斐があるというもの。
たっぷりのキャベツの千切りに贅沢にも5切れ強のステーキが盛られて出てきた。ホホ肉は鰓呼吸をつかさどる筋肉なので、しっかりと運動しているため、適度な脂がありながら、赤身のお肉のようなしっかりした旨味を感じる。口に入れると繊維質だが、ほろほろと崩れるような柔らかな食感だ。お刺身で食べてもおいしいのだが、焼くことで余分な脂がおちて旨味が凝縮されるのだ! 自家製だという、ニンニクと玉ねぎなど野菜を加えて煮込んだ醤油ダレも唯一無二の味わいでクセになる! もちろん白飯にぴったりだ!
築地などでももともとは賄いとして食べられていた幻の部位としても知られている。そんな希少な部位が千駄ヶ谷の定食屋で惜しげもなく登場するのが、なんとも贅沢だ。とにかく野菜たっぷり!ボリュームたっぷりなのが、またうれしい。
店名通り!ガス釜で炊いたご飯は
ふっくらほかほか、一番!
もちろん、ご飯は店名を裏切らない、ふっくらほかほか。昔ながらの大衆食堂ではよくあるが、ガス釜で炊いた白米が個人的には、一番好きだ。見た目の光沢、甘味、粘りなどの食感、どれをとっても秀逸だ。このお店を開いたのは15年前ほどで、ファーストフードもいいけれど「おいしいごはんを味わってほしい」という店主でもあるお母さんの思いから、この店名になったそうだ。
夜はお酒も楽しめるうえ、旬の魚もそろっているので、ちょっと晩酌という人にもぴったりだ。おかんの温かさと、ご飯の温かさ、そしてマグロの旨味がぎっしりつまった定食で、寒い冬の夜ちょっとだけ温まって、一息ついてみてはいかがだろうか。