ホロホロと柔らかい肉と旨みが染みた大根が絶品の煮込み
10月になっていくつか新メニューが登場。新登場したメニューのうち自慢の一品「羊スペアリブと大根の煮込み」。羊の骨や肉を長時間煮込んでできた白濁スープで、羊肉のスペアリブと大根やにんじんなどの野菜を煮込んでいる。羊肉は体を温める食材と言われ、寒い季節にぴったりの料理だ。
白濁したスープは濃厚な肉の旨みに満ちているが、後口が驚くほどさっぱり。本場ではもう少し脂っこさがあるそうだが、日本人にも食べやすいように脂っぽくならないよう工夫しているのだそう。
口の中でホロホロとほどける柔らかいスペアリブと、スープの旨みが染みこんだ大根が絶品のおいしさ。羊肉のスペアリブは豚のスペアリブよりあっさりと食べやすい。滋味豊かなスープは、一口飲めば、体の隅々までおいしさが染み渡るようだ。
キョキョさんが大好きだという「羊肉人参チャーハン」も新メニューの一つ。パラパラのチャーハンには、羊肉と人参がゴロゴロ入っている。しっかり羊肉が主張するチャーハンはボリュームもあり、肉肉しい味わいで同店ならではの一品。シンプルな味付けなので、自家製ラー油で味変するのもおすすめだ。
モンゴルの食事に欠かせない、しょっぱいミルクティー
内モンゴルを代表する飲み物、モンゴルミルクティー。ティーといっても紅茶ではなく、内モンゴルから取り寄せたプーアル茶のような黒茶を使っている。このミルクティーに砂糖ではなく塩とバターを入れるのがモンゴル流。日本人の感覚からすると不思議な組み合わせだが、紅茶のような渋みやチャイのようなスパイシーさがなく、あっさりと飲みやすい。お茶というより優しい味わいのスープのようだ。
このミルクティーに添えられるのが、小麦やバター、砂糖で作った素朴なクッキーのような「モンゴルお菓子」。甘さがまったくないミルクティーにほんのり甘いお菓子を浸し、スプーンですくって飲むのが内モンゴル流だそう。旅行気分でお菓子と共に楽しみたい。
新メニューも続々と登場予定、焼き焼売もぜひ味わいたい
オーナー二人とも日本で長く働いていたが、飲食の仕事は今回が初めて。手探りで形にしていっているため、苦労することも多いという。
「お客様においしいと言ってもらえるのが一番うれしいですね」とやりがいをキョキョさんが語ってくれた。
今は“焼き焼売”を開発中。薄い皮がカリカリと香ばしくとてもおいしいものになりそうだとか。店頭に登場したら、ぜひ食べてみたいメニューだ。
「イッティシュウマイ」の“ティ”は現地の言葉でせいろのこと。日本にはない漢字を使うため、似た音を持つ“笹”の字を使っている。意味は「焼売、せいろ1つ!」と注文するときのセリフだ。
日本でも本場と同じように気軽に内モンゴル料理を味わってほしいとの思いが込められている。二人の笑顔と同じく、優しい味わいの料理にほっこり和むこと請け合いだ。