熟成牛の旨味を余すところなくソースに使用

改めて「Taratata」のメニューを拝見すると、メインとなるパスタが10種類以上にいかにもワインが進みそうなアンティパストも豊富に用意されているが、その中でも塩沢さんが愛してやまないと言うのが「粗挽き熟成牛入り極上ミートソースパスタ」。その名の通り、熟成牛をふんだんに使用することによって生まれる濃厚なミートソースが決め手の逸品だ。

 

塩沢さん

麺は極太のキタッラで、ソースに使っている「サカエヤ」さんの熟成牛にも負けない存在感。奈良県にある「豊国ヌードル」さんという製麺所に特注しているそうです。

見るからに太いキタッラの麺。一人前で140g(生麺)もあり、ボリュームもたっぷり
しっかりとアルデンテにしてゆでる。ゆで時間は季節によって多少変わることも

麺はキタッラという種類のパスタを使用。イタリア産の小麦を使用して作られたこの麺は通常のパスタよりも太いため、味わいが深いミートソースのパンチ力に負けることなくしっかりと存在感を発揮してくれる。

ソースはラグーをベースにしている。肉や香味野菜の旨味がたっぷりと詰まっている
麺がゆで上がったらここでソースと混ぜる。キタッラの太麺にソースがよく絡む

そしてミートソースは熟成牛の旨味をふんだんに生かしたラグーがベースに。肉とふんだんに使われた香味野菜との旨味がソースの味わいとなっている。奥行きの深い味わいを生むためになんと「熟成牛の旨味がよく出る部分」と横田さんが語る熟成牛の骨を煮込んだスープを隠し味として加えているという。

そうして作られた特製のミートソースにキタッラの太麺を混ぜ合わせる。この時にバターとチーズを加え、味わいをよりまろやかに。最後にお皿に盛りつけた後、ペコリーノチーズとオリーブオイルを掛けてフレッシュな香りを加えれば完成だ。

パスタに感じる深みのある味わい

ソースに使用している熟成牛は「サカエヤ」から仕入れ「Melagrano」でも使用されているお肉の端や骨を上手く活用することにより、コクのある濃厚な味わいを実現している。

そしてその深みのある味わいをしっかりと受け止められるキタッラの組み合わせは抜群の相性の良さを誇る。これほどクオリティの高い味わいをリーズナブルな価格で楽しめるのは本当にうれしい限りだ。

 

塩沢さん

「サカエヤ」さんの熟成牛のサーロインやリブロースをミンチ。そんな贅沢ができるのは、「Melograno」で出た端肉を使っているから。このクオリティの料理を、一人で、カウンターで、サッといただけるのは本当にありがたいです。

一人でも気軽に立ち寄れる「Taratata」

「Taratata」のパスタはこのミートソースの他にもトマトソースをベースにしたものやペペロンチーノなどの定番メニュー、そしてオープン以来の1番人気である「熟成牛入りミートボールとブッラータチーズのパスタ」(2,000円)など、数多くのメニューが揃っている。パスタをメインに常時14種類以上置いてあるイタリア産ワインなどを合わせてオーダーすれば、あまりに優雅な「パスタ飲み」が楽しめる。

東京メトロ広尾駅から徒歩1分という好立地が魅力。事前に会計を済ませれば1階のフリースペースでの飲食も可能
店内に飾られているこちらは各料理人や著名人が来店時に書いてくれたというサイン。塩沢さんのサインもこの中にあるという

名店「Melograno」の味をより多くの人々に楽しんでもらいたいという思いで作られた「Taratata」の粗挽き熟成牛入り極上ミートソースパスタ。自分へのご褒美でちょっと贅沢したい夜に食べたい一品だ。

※価格はすべて税込。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認ください。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

取材・文:福嶌弘(フリート)
撮影:岡村智明