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山本さんお気に入りのコーヒー&合わせて楽しみたい各種フード
厳選されたスペシャルティコーヒーを緻密な技術で抽出
山本さん
定番のコーヒーは酸味と甘さのバランスがとれた中浅煎り。ソフトな口当たりなのでデイリーで飲むのにちょうどいいです。ブラジルの豆らしくナッツ系のチョコレートフレーバーも香ります。
コーヒー豆に使用しているのは、蔵前にある気鋭の焙煎所「LEAVES COFFEE ROASTERS」が手掛けたシングルオリジン。取り扱い状況によって農園等が変わるので、オーダーごとに個性や用途に合わせて挽き具合を細かく変えており、蒸らし時間や抽出温度にも気を使う。非常に丁寧なハンドドリップ以外に、エスプレッソ、エアロプレス、コールドブリューなどのメニューも揃える。
ホットコーヒーやホットティーに使用されているマグカップはハンドメイドの磁器。有機的な曲線が印象的で、まるで彫刻作品のようである。こちらはアメリカ・バーモント州にある陶芸スタジオ「Dust and Form(ダストアンドフォーム)」による「TONER」オリジナルの限定品だ。
夏をイメージした爽やかなスイーツ「ライムクランブル」
酸味のある浅煎りのコーヒーと合わせるのにおすすめなのが、ライムを贅沢に使用したスイーツ。イギリスの伝統的な菓子レモンカードをアレンジしたオリジナルレシピで、フレッシュな酸味を利かせたライムカード、バニラビーンズたっぷりのクリーム、ザクザクのクッキー生地を組み合わせたものだ。コーヒーの酸味を打ち消し、チョコレートのようなニュアンスを強調させるといった味の変化が面白い。
ニューヨーカーの定番ランチ「チキンオーバーライス」
昼食で人気の「チキンオーバーライス」は、ベビーリーフ、トマト、レタス、アボカドなど、ふんだんに野菜を使った健康的な一皿。クミンやコリアンダーといったスパイスが香るプルドチキンは、105℃のオイルで6時間ほど鶏肉を煮込んだもの。しっとりとしながらホロホロに崩れる絶妙な食感にヨーグルト&レモンの手作りソースが絡み合う。ジャスミンライスはふっくら、日本人好みの食感に炊き上げられているのもポイントだ。
ほどよくスパイシーな味付けがたまらない「ミートパイ」
タコス風スパイスで合挽き肉をメキシカンに仕上げたパイも評判だ。何層にも折り込まれた生地はサクサクとした軽い食感で、ジューシーな具材の魅力を引き立てる。ナイフとフォークで上品に食べるのもよいが、テイクアウトして目黒川沿いを散策しながら味わうのにも丁度よい。
ここはフード、ドリンク、空間、小物、そこで働くスタッフまで、さまざまな要素であふれている場所。にもかかわらず、それを押し付けない、感じさせない自然な空気が流れている。カフェ巡りが趣味の人、おいしいコーヒーを探している人、プロダクトデザインに興味がある人、クリエイティブな刺激を求めている人、卓球好きの人にだっておすすめだ。どう過ごすかは十人十色。懐の深いダイバーシティな雰囲気が、今の東京を象徴する「都会らしいカフェ」なのである。