素材の味を引き立てる塩で味わう品々
続いてはハモの天ぷらにウニをのせた贅沢な一品のハモウニを。器にのせられたハモウニには、仕上げに「淡雪塩」と呼ばれる雪のようなふんわりした塩をまぶすのがこちらの流儀。
山岸さん
こちらの天ぷらの基本は、具材が透けて見えるほどの衣の薄さ。うっすら膜を張ったような状態ながらサックリ仕上げています。ハモウニは淡泊なハモと濃厚なウニの見事なハーモニー。淡雪の塩味も良いアクセントです。メゴチも関西では珍しい食材。ふっくらとした揚げ加減はさすがです!
季節の小鍋料理でボリューム感もプラス!
「天ぷら以外のお料理も是非楽しんでほしいです」と黒澤さんが言うように、天ぷらのあとには小鍋料理が提供される。この日は佐賀牛のイチボを使ったすき焼き風鍋。これ以外にも季節に応じて、てっちりやハリハリ鍋などが登場する。
山岸さん
天ぷらのあとはちょっと汁物がほしくなる。そんな時に小鍋料理はうれしいですね。とろけるようなイチボと程よい甘辛さのツユがバッチリです。卵黄が濃厚な京都の地卵の温泉卵をくぐらせて食べれば、さらにまろやかに楽しめますよ!
ここからさらにご飯や赤出汁、デザートを楽しんでコースは終了。ほどよい満腹感と多彩な味わいで、実に心地よい満足感を得られた。住宅街にある天ぷら店とは思えないほどのクオリティの高さは、まさに目からウロコの連続だ。
駅から徒歩20分というアクセスが、ハードルを高くしているのは事実。それでも足を運ぶ価値は十分にある隠れた名店と言えるだろう。