ハヤシライス
同じく人気のハヤシライス(1,100円)は、何度も頼むリピーターが多数。ポイントは自家製のデミグラスソースで、タマネギやニンジン、セロリといった香味野菜、レモン、リンゴなどを牛スジ肉と一緒に1週間も煮込むのだそう。毎日ちょっとずつ火入れして、最後は素材が溶けてしまって旨味が凝縮。このソースをベースに複数の調味料で味をととのえています。
使用しているのは牛ランプ肉で、一切れが大きく食べ応えばっちり。さらに上等の肉を使う上ハヤシライス(1,400円)は、より濃厚な仕上がりで目玉焼き付きです。こちらはルーがグレイビーボート(ソースポット)に入って提供されるので、ちょっと贅沢な気分に。オムライスとハヤシライス、どちらも食べたい人にはオムハヤシ(1,500円)がおすすめです。
カツサンドウィッチ
フードをあまり置いていない流川のスタンドやバーへ配達もしている同店では、ほとんどのメニューをテイクアウトすることが可能。手土産や差し入れに断トツの人気は、甘酸っぱいカクテルソースがポイントのカツサンドウィッチ(1,100円)。程よくトーストしたパンに牛カツとフレッシュオニオン、ピクルスを挟んでおり、マスタードの辛味も加わって、お酒と相性ばっちりのサンドです。作りたての状態も美味ですが、時間が経ってしっとりしても、違ったおいしさを楽しめるのが不思議。
ほかにもチキンソティ(1,100円)やポークチャップ(1,100円)といった、気になるメニューが目白押し。丼ものやみそ汁をひそかに用意してあるのは、以前に客から強い要望があったためなのだそう。営業は夜のみですが、Aランチ(800円)、Bランチ(1,400円)など、3種類のランチも用意しています。
「変わらないこと、営業し続けること」を目標にして
2018年に移転をし、そのことがまだ浸透しないうちに、新型コロナウイルスが蔓延。度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置によって通常営業がままならず、何度も苦境を強いられたと言います。「私はもうこの年じゃけぇね、長く休むと立つのも辛いんよ。けどね、店を開けると、ふらっと昔の常連さんが来てくれたりする。“移転したって聞いとったけど、やっと見つけられたわぁ”って。そういう常連さんの顔を見ると、まだうちの店を必要としてくれとる人がおるんじゃけ、頑張らんとって思うんよね」
「変わらないこと、営業し続けること」。この2つが当面の目標だと話す、大黒さんと健太郎さん。歴史の証人であるかのようなこの店は、流川で燦然と輝きながら、今日も温かく客を出迎えています。