〈New Open News〉
毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。
橦木町 しみず(愛知・名古屋)
2022年1月に橦木町にオープンした「橦木町 しみず」は、ミシュラン二つ星獲得の「本湖月」で11年、岐阜屈指の日本料理店「たか田八祥」で6年修業を積んだ清水氏が四季の料理と非日常空間を提供する日本料理店です。清水氏のキャリアから、期待が高まりますが、なんと年内の予約はもういっぱいだそうです。
メニューは「おまかせコース」(20,000円)のみで、日本中から厳選された旬の食材が、季節感あふれる一皿に仕上げられ、ゲストを楽しませてくれます。素材本来のおいしさを丁寧に引き出した料理のおいしさはもちろん、調理前の活きの良い鮎を見せてくれたり、食材が変化していく様子をひとつのストーリーのように見られるのも素敵ですね。
*料理写真の撮影はNG。
白木の美しいカウンターが映える凛とした高級感溢れる店内は、喧噪から遮断された非日常を感じられる空間になっています。個室もありますが、現在はカウンター6席のみ、1日1回転だけの営業です。
初心を忘れず日々精進する実直な清水氏の人柄や、温かみのある女将の接客も評判で、記憶に残る素晴らしい料理が食べられるとなれば、予約困難店になるのも納得です。
食べログレビュアーのコメント
『この日頂いたのは
豊橋の河合果樹園の無農薬のレモンのレモン湯
篠島の本ミル貝、出汁に漬けた蕗
焼いた北九州合馬産筍と蕗味噌の飯蒸し
桑名産蛤の椀物 玉子豆腐と石川県の黒もずく
今朝採りで一度も海水に浸けていない三河湾の赤貝、サヨリのお造り
タイラギと伊勢海老の石焼 伊勢海老の味噌をつけて
マナガツオのせんべい風焼き、雲丹と山葵菜と共に海苔巻きで
イチボを7種の山菜餡かけで
椎茸ブラザーズの焼き椎茸を出汁で
根三つ葉の天ぷら
高山産「いのちの壱」の土釜ご飯、福井のメジマグロと黄身と共に
デザート
せとか100%のジュースと冷凍せとか
桃の節句
目の前で作る桃色のゆり根のきんとん
であった。
日本一と言われている篠島の本ミル貝はほとんど東京に出荷されてしまうらしいが、この日は初めて入手でき出してくださったそうである。海の香りがしてとても美味しいものであった。また出汁で煮てある蕗の香りは春の到来を感じさせてくれる一品であった。
また、北九州合馬産の筍はトゥラジョアの須本シェフも好んで使う極上の筍である。えぐみがないのが特徴のようだ。それを焼いて雲丹、蕗味噌を乗せた飯蒸しは大将のセンスを感じさせるものであった。
椀物もとても心が惹かれるものであった。蛤の出汁で白く濁った中に玉子豆腐と黒もずくが入っており、蛤の出汁だけでとても旨味がいっぱいであった。
またこだわりの赤貝は今朝三河湾で揚がったもの。全く海水には浸けておらず泥の付いたまま店に運んだようである。サヨリと共にワサビ、そしてネギを刻んだ塩麹で頂いた。
タイラギ、伊勢海老は焼かれた石も添えられており、ジュッと焼けた石で火を入れ自分の好きな焼き具合で食べるという面白い趣向であった。こういう遊び心も嬉しい~~
炭火で焼いたイチボは春の七草の餡をかけられ提供された。ちょうど中華飯の餡のような感じである。つくし、蕗などなどの春の香りを美味しい肉と共に頂くことができた。
最後はせとか100%のジュースと3月の桃の節句に因み、ピンク色のゆり根を客の前で成形してゆり根のきんとんを作ってくれた。そして最後にお抹茶を頂き終了となった。
きちんと懐石の順序に則り、和食で大切な決まりごとの中でこうやって極上の料理を提供して下さった。
最近では和のイノベーティブとか何やらで、何料理なのか分からないような自由気ままに料理を出すところが増えてはいるが、やはりこういう芯の通った料理屋さんというものは、私たち客サイドから見ても凛とするものを感じさせてくれるのである。』(ドクターSSさん)
『お料理はご主人がお一人で、サービスは奥様が担当されます。
奥様の柔らかな物腰、ご主人の謙虚で実直な雰囲気、お料理を頂く前から、もう好き。笑
そしてお料理の印象です。
主役となる素材自体の凛とした味わいが軸にあり、そこに香りや甘味・酸味・苦味や青さが添えられ、静かながら彩りのあるお料理に。
味わいのベクトルがしっかりと定まっており、お料理毎の安定感があり、加えてバランス感も素晴らしく、グッと引き込まれる美味しさがありました。
終始食べながら夫婦でニンマリです。
6席一回転ということもあり、年内は満席とのことですが、来年は是非季節毎にお伺いしたいです!』(ぺぴどんさん)