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〈食べログ3.5以下のうまい店〉
巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー! 食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。
食べログは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。
点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。
そこで、グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は「食いしん坊弁護士」としてテレビ番組のコメンテーターなどでも活躍している弁護士の山岸久朗さんがおすすめする神戸市のパン屋さんを紹介!
教えてくれる人
山岸久朗
弁護士、コメンテーター。ABC朝日放送(月)朝6:45〜8:00「おはよう朝日です」に、毎週レギュラー出演。Yahoo!ニュース公式コメンテーターも務める。趣味は食べること。
都心から離れていても足を運びたくなる人気店
全国的にもパン激戦区として知られる神戸。三宮を中心に名店と言われるパン店が軒を連ね、行列店も少なくない。そんななか「食いしん坊弁護士」こと山岸久朗さんが魅了されたパン店「クスパン」は、三宮から電車とバスを乗り継ぐこと約40分の神戸市垂水区神陵台にある。
目の前にはバス停があるものの「お世辞にも交通の便が良いところとは言えない場所ながら、たくさんのお客さんで溢れているのです!」と山岸さんも驚く人気ぶり。山岸さん自身も車を使ってわざわざ訪れるという。
耳までおいしいと評判なのが定番の食パン「ゆめ食パン」。北海道美瑛産の小麦「ゆめちから」を使用し、もっちりとした食感と優しい甘さ、そして飽きの来ない味わいが人気だ。多くの人は店内に掲げられた焼き上がり時間を目指して、同店に足を運ぶ。
食べログ点数は3.29。アクセスの悪さがどうしてもネックになっているに違いない。そこで今回は、定番の食パンもさることながら、山岸さんが魅了された数々のパンを紹介し、その味わいに迫ってみたい。
※点数は2022年6月時点のものです。
利益率度外視で作るからこそ、多くの人に愛される味わいに
「地元であるこの町は、昭和30〜40年代に造成されたニュータウンでした。最近では世代交代で若い人も増えてきましたね。そんな人たちに、確かな味とサービスを提供したいです」と語るのはオーナーシェフの楠田法久さん。
大手ベーカリーで長年経験を積み、8年前に地元に戻りこの店をオープン。それ以来、若い子育て世代だけでなく、古くからの住民からも圧倒的な支持を得てきた。その理由は「怖くて原価を計算しないようにしている」と楠田さんが苦笑いするほどこだわった原料と、それを生かす高い技術で実現した味わいだろう。
それでは早速、そんなこだわりの数々が詰まったパンをじっくりと味わっていこう。
「まさにホテルクオリティ!」と太鼓判を押したくなる絶品カレーパン
「全ておいしいが、私のいちおしは熟成ビーフカレーパン!」と山岸さんが推すのは、創業時からの定番アイテム。通常はパン粉をまぶして揚げるスタイルながら、こちらはサイコロ状にカットした食パンを衣として使用。ザックザクの食感が心地よい。
中のカレーは、玉ネギをじっくりペースト状になるまで炒め、それに2種類のカレー粉をブレンドし、辛さ控えめに仕上げているのが特徴だ。
山岸さん
噛み応えのあるパンの中には、辛さ控えめでコクのあるカレーが。具材にはホクホクな食感が特徴の北海道産ジャガイモ「きたあかり」と分厚いベーコンの角切りが入って、しっかりとした食べ応え。その味はまさにホテルクオリティです!