〈食べログ3.5以下のうまい店〉
巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー! 食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。
食べログは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。
点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。
そこで、グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。 今回は、多くのメディアで活躍するフードライター兼フードアナリストの中山秀明さんがそのおいしさに感動したというクラフトビール×焼き鳥店を紹介。
教えてくれる人
中山秀明
食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とWebメディアを中心に編集と撮影をともなう取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。
三宮の飲み屋街の路地に佇む洒落たビストロ風焼き鳥店
食に精通するライターとして、あるいはフードアナリストとして幅広く活躍する中山秀明さん。2016年頃、神戸在住の幼なじみと飲みに行ったのがきっかけで知ることとなったお店が「HOP STAND」。
もともとクラフトビール好きだった中山さんだが、「当時は東京でもクラフトビールを提供するお店は今ほど多くなく、なおかつ焼き鳥を売りにしているというこちらのお店に驚きました」と当時を振り返る。
「焼き鳥は専門店同様のハイクオリティ、そのうえビールも料理もリーズナブル。雰囲気もおしゃれで死角なし!」と太鼓判を押す中山さん。
食べログ点数は3.24。路地裏に佇むお店がゆえに、まだまだ知られていないのかもしれない。それでは中山さんが魅せられたメニューの数々を早速味わってみよう。
※点数は2022年3月時点のものです。
乾杯はこだわりのオリジナルクラフトビールで
なにはともあれ「とりあえずビール」だろう。メニューを見れば「六甲ビール醸造所」のクラフトビールがレギュラーで4種類。これに季節限定醸造のビールが2種類ほど加わる。「最初の一杯はこれを飲んで欲しいです」と「北長狭エール」を注いでくれたのは店長の我満さん。
透き通った黄金色がなんとも美しく、穏やかなホップの香りが漂う。なお、全てのビールが統一価格で、サイズはスモール(285ml)638円、レギュラー(385ml)748円、ラージ(545ml)968円、エキストララージ(1,000ml)2,090円の4種類が揃う。「クラフトビールは高い」というイメージもあるが、比較的リーズナブルなのもうれしい。
中山さん
六甲ビール醸造所が同店のために醸したオリジナルクラフトビールです。通常の3倍のホップを使用し、爽快感あるビターな味わいが最高! 焼き鳥の風味をさらに引き立てる一杯です。
スパイスが絶妙な焼き鳥とクラフトビールの悶絶ペアリング
自慢のクラフトビールと合わせる焼き鳥はおよそ12種類。どれを選ぶか迷ったら「おまかせ」と声をかけよう。肉は厳選した国産鶏を使用し、いずれもジューシーな味わいが楽しめる。
中山さん
基本の「ねぎみ」はボリューム感がたまらない。タレはあっさりとした甘辛さで、淡泊な肉の味わいを引き立てます。焼き加減も好みに対応してくれます。
中山さん
プリッとした食感と噛むほどに広がる旨みが最高な「ハツ」は塩で楽しみたい。シシトウの爽やかなアクセントもいいです!
中山さん
ここの焼き鳥をさらに楽しませてくれるのがオリジナルスパイス。ビールの原料であるホップのパウダーに山椒、ターメリックなどが入っています。ホップの苦みと山椒の刺激、ターメリックの香ばしさなどが加わり、焼き鳥に奥の深い味わいが追加されます。
ほかにも「せせり」「ハツモト」「肩肉わさび」「ラムジンギスカン串」など、一般的な部位から希少部位や変わり種まで揃う焼き鳥。絶妙な焼き加減とオリジナルスパイスで、ビールがグイグイ進むことうけあいだ。