「リチュエル ル グラン ド ブレ」

RITUEL(リチュエル)は、2002年にフランス・パリのサン・マルタン運河の近くにオープンした有名人気ブーランジュリー「Du Pain Et Des Idées(デュ・パン・エ・デジデ)」のクリストフ・ヴァスールシェフが手がけたヴィエノワズリー店。こちらのパンは、フランスの伝統的な製パン技術のもとに、生地の温度、水分量、弾力など、細部にまでこだわり、丁寧に成形し焼き上げられている。

「エスカルゴ ショコラ・ピスターシュ」391円

お店の代名詞とも言えるのが「エスカルゴ」。サクサクのクロワッサン生地をカタツムリのようにクルクルと巻いたパン。「エスカルゴ ショコラ・ピスターシュ」はピスタチオペーストを生地に巻き込み、チョコチップを散らしたもので、根強い人気を誇る定番商品。

「クロワッサン ピスターシュ」346円

「クロワッサン ピスターシュ」は、フランス産バターを使ったクロワッサン生地にピスタチオ生地を合わせ、中にショコラを巻き込んだ見た目にも美しいヴィエノワズリー。

「サクリスタン ア ラ ピスターシュ」331円

「サクリスタン ア ラ ピスターシュ」は、ピスタチオペーストが練り込まれた、細長くねじった形のパン。

3種を食べ比べて、ピスタチオが味わい的に強く感じられる順番は、サクリスタン>エスカルゴ>クロワッサンの順か。好みに合わせて選択すると良いだろう。

2022年の今、なぜピスタチオスイーツ人気が爆発したのか?

結局のところ、なぜ今ピスタチオスイーツが大人気なのか? ここではその人気の背景や理由を探ってみたい。

写真:gettyimages

1. 独特な味わい、食感、香り → エキゾチックな感覚

スイーツである以上、まずは、おいしいと感じられなければ始まらない。この点、ピスタチオが有するほんのりと甘くコクがあり濃厚な味わいや食感は新鮮で、そのスパイシーでハーブ系の香りは、エキゾチックさを感じさせるものであったと言えよう。

2. 独特な色合い(ピスタチオグリーン) → SNSによる情報インパクト

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近年はSNSで瞬く間に情報が拡散されるが、中でもインスタをはじめとした視覚系情報はインパクトが大きい。このような背景の中で「ピスタチオグリーン」とも称される、やや黄色がかった独特な緑色は印象的で、 拡散を促すひとつの要因となったのではないだろうか。2020年以降、ファッション界においても「ピスタチオカラー」はひとつのトレンドにもなっているとされ、コロナ禍で外出が制限されるなど、ストレスを感じることも多い中、ピスタチオの植物系の緑色は癒やし効果があるのだろう。

3. ピスタチオの成分・効能 → 健康志向に合致

前述の通り、ピスタチオに含まれる成分には貧血防止や美肌効果など、女性にうれしい効能が期待できると言われている。またコロナ禍の中、免疫力向上は多くの人が望む効能であることから、人気のひとつの要因となっているのだろう。

4. コンビニでも購入可能 → 手軽に入手可能

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味わいや香りがよく、色がステキでヘルシーだとしても、入手困難でなかなか食べることができないというのでは、人気を得ることは難しい。この点、ピスタチオスイーツはコンビニでも色々な種類のものがリーズナブルに購入可能だ。おこもり需要が増える中、手軽に入手できるということは、人気を得、話題となる機会を増やす大きなカギとなっていると言えよう。

5. 新しいものを求める心理+SNS → トレンド・ブームの創出

テレワークが増加し、自宅勤務の時間が長くなる中、日常生活の中で変化を見つける機会は減少しており、変化を求める気持ち、新しいものを見つけたいという欲求が高まっているのではないだろうか。またSNS社会の中では、情報の受け手になるばかりでなく容易に情報の送り手となることができるので、積極的に新しいものを見つけて発信していこうという気持ちが強くなっていることも指摘できよう。

※価格はすべて税込です。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

※本記事は取材日(2022年2月22日)時点の情報をもとに作成しています。

撮影:猫井登

文:猫井登、食べログマガジン編集部