3. フランベでファイヤー! 燃える絶品もつすき|もつ繁

“あまり教えたくない”という常連も多く、野球選手や歌舞伎役者も訪れる創業19年目の人気店。こちらで味わえるのは、冒頭で紹介したもつ鍋の元祖とも言われるすき焼き風のもつ鍋「もつすき」です。まず特筆すべきはホルモンの鮮度と質。丁寧に下処理を施した丸腸、小腸、ミノ、センマイ、大動脈、ハツの6種類は、ご覧の通りツヤツヤと輝いています。

サッと油を引いた鋳鉄の鍋でニンニクを炒めて香りを出し、そこへホルモンを投入。日本酒を加えて火を付けフランベした後、割り下で味付けします。店主の白水さんは元々洋食のシェフで、そのテクニックがもつすきにも活かされているようです。丸腸や小腸はジュワッと甘く、センマイやミノはシャクッコリッと抜群の食感。

砂糖は加えず、日本酒のみで甘みを付けているので、すき焼きよりも味わいはスッキリ。ホルモンの甘みとうま味が一層際立ちます。ホルモンを味わった後はタマネギ、時間差で豆腐も加えてぐつぐつ。味の染みたタマネギや豆腐のおいしさは言わずもがな。最後はキャベツとニラを入れて、もつ鍋スタイルで楽しみます。ここでホルモンを追加するのもおすすめ。

お腹に余裕のある人はシメのちゃんぽんや鮮度抜群の「生せんまい」500円、「もつのニラ玉」900円といった一品料理もぜひ。カウンターと座敷を配する店内はいつも大盛況なので、予約は必須です。
4. 愛されて40年! 地元民が推す穴場の人気店|赤門屋

中心地・天神や博多から電車で約20分。ディープな良店が立ち並ぶ南福岡駅・雑餉隈駅エリアで、1981(昭和56)年から続く牛もつ鍋専門店です。産地等は固定せず、毎朝の仕入れ時に最良の国産牛もつを吟味。鮮度の良いもつをさらに入念に下処理することで、臭みのないプリプリの食感を生み出しているのだとか。

昨今は味噌など多彩な味わいを揃えるもつ鍋店も多い中、こちらは醤油スープ一本で勝負。ホルモンそのものの味わいを最大限に活かすためシンプルに味付けし、もつの脂や旨みが合わさることで一層コクと奥深さが増すように作られています。また、キャベツやニラといった定番の具材に加え、コーンが入っているのも特徴。ニオイが気になる人は、ニンニクをショウガに変更することもできます。

シメは製麺所へ特注の「ちゃんぽん」190円、「ラーメン」190円、「おじや」280円から選択可能。その他、約10種類ほどから好きなものを選べる「選べるお通し」330円も名物です。「もつ煮込み」や「母ちゃんのポテサラ」など月ごとに変わるお通しを楽しみに訪れる常連も多数!

唎酒師の資格を持つ店主がセレクトした、多彩な日本酒と一緒に楽しむのもいいですよ。もつ鍋はテイクアウトやお取り寄せも可能。公式の通販サイトをチェックしてみてくださいね。
5. 日本のトップシェフがやまやと共に創作!|やまや別邸 西中洲

辛子明太子でお馴染みの「やまや」ですが、関東エリアでは「もつ鍋のやまや」とも言われるほど、もつ鍋も人気。「博多もつ鍋やまや」として、福岡はもとより、関東、関西、さらに韓国まで店舗を展開しているのですが……。今回ご紹介する「やまや別邸 西中洲」は、これまでの店舗とは異なるメニュー、空間を提供する一軒。注目はここでしか味わえない、3つのイノベーティブなもつ鍋です。

「やまや」のスタッフと共にもつ鍋を創作したのは何と、「アジアのベストレストラン50」など、国内外のベストレストランに選出されるトップシェフ・「傳」の長谷川在佑氏。「野菜がおいしい、青唐辛子とうまだしのもつ鍋」1人前2,000円は、焼きあごなど国産素材をブレンドした「うまだし」と、黄ニラ、青唐辛子の風味が決め手。「ヤンニン醬の韓国風うま辛もつ鍋」1人前2,000円は、甘辛く濃厚ながらスッキリとした後口で、味の染みたジャガイモやタマネギも格別です。

「ライム香る、海老と野菜のタイ風もつ鍋」1人前2,000円は、ライムやレモングラスの爽やかな風味が広がる逸品。別盛りの野菜や海老をしゃぶしゃぶのようにスープへくぐらせ、煮込んだもつと共に味わいます。丁寧に下処理し、大きくカットされた黒毛和牛のもつは、臭みもなくプリッじゅわっと食べごたえ満点。おすすめのシメが「フォー」というのも新しいですよね。

もつ鍋は1人前から注文OKなので、複数人で行けば食べ比べも可能。定番の醤油味を加えた4種類からもつ鍋を選べるお得な「九州の美食コース」3,500円もお見逃しなく。那珂川沿いにあるビルの2階に位置し、店内からは中洲の景色を一望。カウンター席と個室も完備し、ランチ営業も行っているので、さまざまなシーンで重宝する一軒です。
教えてくれた人

森 絵里花
福岡生まれ博多湾育ち。地元タウン誌やグルメ情報誌、料理専門誌、WEBマガジンなどを中心に活動。ランチ、カフェ、星付き店から路地裏の酒場まで、オールマイティに楽しむ呑み食い道楽 兼 グルメライター。
※価格はすべて税込です。
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文:森 絵里花、食べログマガジン編集部 写真:森 絵里花