大規模な再開発にともない、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため、「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新&定番グルメスポットを両方教えてもらっちゃおう! というこの連載。
[定番]編20回目となる今回は、「加藤牛肉店シブツウ」をご案内します。
【大人の渋谷メシ・定番編】第20回「加藤牛肉店シブツウ」
今回は、真の牛肉ラバーから熱い支持を受ける「加藤牛肉店」の渋谷2丁目店、その名も「加藤牛肉店シブツウ」へ。
夜は1万円以上のコースも多く揃える高級店ですが、お昼なら同じおいしいお肉をよりリーズナブルに楽しむことができます。加藤牛肉店といえば最高級の山形牛を取り扱うことで有名ですが、今回はそんな加藤牛肉店で、あえての豚肉!
カウンターにはずばり「山形牛」と書かれた飾り駒。しかし今回は、山形牛ではなく、“山形豚”をいただきます!
ランチメニューはロースカツ、ヒレカツ、ミックスフライなど揚げ物を中心に、生姜焼き定食、山形牛カレーなど、バラエティ豊か(お昼に山形牛のステーキセットも頼めます)。
こちらが「極上 ヒレカツ定食」。ヒレの中心の柔らかい部分だけを贅沢に150g使用。真ん中の一切れだけ横に倒して置くことで、肉の断面をしっかり確認できるうれしい演出。
キレイな薄い色のお肉の、中心だけ見事なレア!
このルックスだけでテンション上がりまくりです。純正のラードを特殊な機械でトランス脂肪酸0にしているそうで、揚げ時間が短くなることで、見事なレア状態で揚げられているのです。
ヒレは塩で一口。おお、おいしい! めちゃ柔らかいけど、しっかりと肉感も感じられて、豚の旨みが噛むほどに溢れます。
パン粉専門業者から仕入れているという生パン粉の衣も、サクッと軽く、それでいてお肉にしっかりとまとわりつくというか、お肉と衣の一体感が見事なのです。肉単体のおいしさと、とんかつという料理としての完成度が見事に両立している一品。
続いて「極上 リブロースカツ定食」。こちらも堂々としたルックス。
全体としてほのかにピンク色のお肉の中に、きらりと輝く脂が控えめに入っています。
こちらもまずは塩で一口。うわ、甘い! 調味料は塩だけなのに、豚の脂の甘みが口の中にじゅわ〜っと広がります。しかし、その脂感がまったくしつこくない。
聞けば、餌に大麦を配合し長い期間しっかり飼育することで、脂の融点が上がるのだそう。融点が上がることで、口の中に余計な脂が残らないから、甘み旨みだけ残って、変な脂っぽさを感じにくいというわけです。
塩もいいけど、やっぱりソースをつけてオンザライス! 中濃ソースにデミグラスソースを独自の配合で混ぜたオリジナルソースは、濃厚ながらもフルーティーな味わい。これはご飯が止まらない。
ここで皆さんに実験です。さあ、上の写真をじっと見てみてください。
どうです? じわっと唾液が出てきませんか? もう、今日の食事はとんかつで決まりですね!
さらなるお楽しみはトッピングの「ミニカレールー」。
山形牛の旨味がたっぷり詰まった特製のカレーを、ソースだけ追加で頼めるのです(ここに来て、ついに牛の登場です!)。
このめちゃ旨カレーソースを、リブロースカツにつけてパクリ。
牛肉の旨味、豚肉の旨味、ソースに溶け込んだ野菜の旨味、そこにスパイスの香りが加わって、これぞ至福の味!
ご飯はおかわり自由なので、とんかつで一杯、その後カレーソースでもう一杯なんて楽しみ方もできちゃいます。せっかく加藤牛肉店に来たのだから、思いっきり堪能しちゃうのが良いでしょう。
定食はテイクアウトも可能。
お肉の収まり方が見事! こんなお弁当、おみやでもらったら最高ですね。
さらに加藤牛肉店といえば!の、山形牛100%の「手ほぐしビーフ」(コンビーフ)も購入可能。
お店で揚げたてのとんかつを堪能した上に、おうちに帰ってからの楽しみも広がる、加藤牛肉店シブツウランチ。おいしいお肉を心ゆくまで楽しんでください。