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目で、舌で。旬をたっぷりと堪能できる前菜「季節のお野菜」
「一品目はお客様へのご挨拶として」と若林さんが出すのは、色とりどりの旬の野菜を使った前菜。この日は「大分県豊後水道のカマスのコンフィと季節のお野菜 万願寺、新蓮根、無花果など」を出してくれた。
軽く塩を馴染ませたカマスは、串打ちをして70℃の油に落としたら、火を消しゆっくりと漬けてコンフィに。新蓮根は素揚げに、ストウブ鍋で戻した花豆は黒糖で炊くなど、素材一つひとつに丁寧な仕事を施している。
川井 潤さん
お店がこだわってセレクトし取り寄せている野菜の新鮮さがポイント。
素材の味を丁寧に引き出した「旬のすり流し」
コースによく登場するという「バターナッツかぼちゃのすり流し」。玉ねぎと人参、そして少量の豆乳とメープルシロップ、塩を合わせることで、コク深い味わいを出している。
川井 潤さん
あるときはズワイガニのスープ、あるときは菊芋や白菜など各種野菜のすり流し。その時々の旬をスープで楽しめる。
変幻自在の「〆の料理」
その日によって変わるという〆の料理には、細めでつるっと喉越しの良い十割そばが登場した。そば粉は、夏は群馬県の赤城のものを、秋は北海道の黒松内町のものを、と季節で変えているそう。
川井 潤さん
あるときは炊き込みごはん、またあるときはリゾット、そば……と、変幻自在の〆の料理。何が出てくるかその日の楽しみ。
お土産でもサプライズを忘れない!
これも自家製!? 「四角いあんぱん」
お土産として配る日もあるという、若林さんお手製の四角いあんぱん。家で趣味として作っているうちにお客様へも出してみたくなったそうで、この秋から登場した。しっかりとバターの香るブリオッシュ生地で、土鍋でゆるめに炊いたあんを包み込んでいる。
歩みを止めない志と確かな技術力
しっかりと料理の基礎を守りながらも、素材の組み合わせの妙で魅了する前菜、そばやパンへの挑戦など、驚きを与え続けてくれる日本料理 若林。どれも楽しそうにメニュー開発を行っているのがお話からうかがえた。決して歩みを止めない志と確かな技術力によって、これからますます注目度が上がっていくことだろう。