秋山さんイチ押し! 独創的な創作寿司の数々

「旬の魚の握りを腹六分目くらいまで食べたら、紋ずしでしか食べられないこだわりの創作寿司を食べます」と教えてくれた秋山さん。今回はおすすめの中から、旬の食材を使った創作メニューと「熱々玉子巻」「いわし漁場ずし」「和牛すき煮巻」の個性あふれる4品をご紹介!

旬のネタをアラカルトでいろいろとオーダー

「あわびの肝めし」660円

おまかせで頼むのもいいが、そのときの旬に合わせて好きなものを好きなだけ頼むのが紋ずしの楽しみ方。取材時は、あわびの肝を使った創作料理「あわびの肝めし」を出してくれた。

さまざまな食材による食感のリズムが心地よい

にんにく・しょうが・クリームチーズを合わせたあわびの肝を、たくあん・みょうが・大葉・らっきょう・ガリ・きゅうり・胡麻を混ぜ込んだ酢飯の上にのせた、和と洋を感じさせる一品だ。

 

秋山具義さん

初めて行くときは「7貫握り」や「10貫握り」のおまかせでも良いと思いますが、紋ずしの楽しみ方は、つまみを数種類頼んでから、好きなネタをアラカルトで食べるのがおすすめです。

ハフハフしながら食べる「熱々玉子巻」

「熱々玉子巻」440円

醤油・みりん・砂糖を使った鰹ベースの甘ダレで作る、熱々のだし巻き玉子を巻いた「熱々玉子巻」。これに、秋山さんはいつも「わさびを入れて」とお願いしているそう。

 

秋山具義さん

名前の通り、焼きたて熱々の玉子焼きを少しのシャリと海苔で巻いています。甘さ絶妙の玉子焼きがおいしくて、ハフハフ食べる寿司が最高です。

必ずオーダーしたい! 名物の「いわし漁場ずし」

「漁場ずし」660円

いわしの押し寿司「漁場ずし」は、紋ずしで20年以上愛され続けている名物の創作寿司。酢締めにして一日寝かした生いわしを使い、酢飯には大葉・ガリ・白ごまを混ぜ込んでいる。いわしと酢飯との間には一味を振っており、さまざまな味わいと食感を一度に楽しめる。

 

秋山具義さん

酢で締めたいわしの酸味と旨味、食感がおいしく、無限に食べられます。日本酒のつまみにもぴったりです。

牛肉?と訝らずに頼むべし! 「和牛すき煮巻」

「和牛すき煮巻」770円

和牛を醤油と砂糖で作るすき焼きのかえしで焼き煮にし、卵黄と白髪ねぎと一緒に巻いた「和牛すき煮巻」は、大人だけでなく子どもからも人気の一品。

この日は前沢牛を使用。お客さんにできるだけ良いものを食べてほしいと、使う和牛はその日ごとに選んでいる。

 

秋山具義さん

寿司なのに和牛?という疑問を持ったら、まず食べてほしいです。すき煮の和牛と酢飯と海苔がめちゃくちゃ合っておいしいです。

こちらも必食! 常連から愛される一品料理

何度でも食べたくなる味「焼穴子 塩と黒胡椒」

「焼穴子 塩と黒胡椒」1,760円

常連客は必ずと言っていいほど頼む人が多いという「焼穴子 塩と黒胡椒」も、今回は作っていただいた。

日本酒をまぶした穴子にオリーブオイルをかけて天火で焼いた一品で、しっかりめに利かせた塩とさわやかさを感じる黒胡椒が、ふっくらと焼き上げた穴子の旨みを一層際立たせている。

長く通い続けたくなるのは、ほっとする味があってこそ

実は、雄介さんのお兄さんが2018年8月にシンガポール店を開店させ、祐天寺と同じメニューを中心に営んでいるそうで、ワールドワイドな展開を迎えている紋ずし。他ではお目にかかれない創作寿司を作り、海外展開でも攻めの姿勢を続けているわけだが、同時にどこか懐かしさやほっとするような気持ちにさせてくれるのもこの店の魅力だ。

それはきっと親子の人柄を思わせる優しい味のおかげ。繁華街の店のような派手さは無いが、一度訪れれば何度でも、何十年でも通いたくなる人が多いのは、この温かさにまた触れたくなるからだろう。

※価格はすべて税込。

※本記事は取材日(2021年10月14日)時点の情報をもとに作成しています。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

撮影:大谷次郎
文:平石紗代・食べログマガジン編集部