【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#34】「CURRY&NOBLE 強い女」

埼玉県の小川町。東武東上線・池袋駅から急行に乗れば1時間少々で行ける場所です。非常にのどかな地域で、初めて行ったとしてもなぜか懐かしさを感じるような空気感のある町です。そんな町に非常に興味深い店名のカレーのお店があります。その名は「CURRY&NOBLE 強い女」。

古民家をリノベーションしたお店は外観から内装までセンスの良さを感じ、それが細部にまで行きわたっています。席に座ると卓上にある岩塩の瓶に目が行きました。

「カレーは肉料理です」のメッセージ。これがこちらのコンセプトなのか、メニューを見てみれば無水チキンとポークビンダルーがメインで、確かにどちらも肉のカレーです。

無水チキンカレーとポークビンダルーの「2種のあいがけカレー」

どちらも食べられる「2種のあいがけカレー」1,480円をご飯少なめで注文しました。出てきたカレーは確かに肉料理としてのカレーですが、副菜として野菜を使った料理が3品のせられており、バランスの良い一皿です。

無水チキンカレーは玉葱をたっぷり使ったカレーで、パキスタン系のカレーっぽさを感じさせつつも油と塩が控えめで重くないのが良いです。途中で卓上の岩塩を少し加えて食べてみると味の輪郭がよりはっきりとしてわかりやすいおいしさになったのですが、個人的には何もかけない方が素材の味を感じられるのでおすすめです。ガツンとくるカレーがお好みなら少し岩塩をかけると良いでしょう。

ポークビンダルーはキーマのビンダルーで、ビネガーの爽やかな酸味がちょうど良い塩梅のご飯がすすむカレー。どちらも現地系のカレーを元にしながら日本人のセンスで工夫を加えて進化させたカレーであり、都内の人気店にも負けないクオリティです。

そして副菜がまたおいしい。小川町は有機栽培比率が日本一の有機野菜の町としても知られており、そんな地元の野菜を使った副菜はそれぞれシンプルでありながら、だからこそ野菜自体のおいしさと力強さを感じる仕上がりになっていて、肉料理としてのカレーの良きパートナーとなっていました。

「3種のきのこポークビンダルーカレー」

あいがけだけではなく単品も楽しめます。「3種のきのこポークビンダルーカレー」1,380円は、キーマのビンダルーに、きのこによる食感の変化とうま味を追加していて、単品でも満足度の高いカレーでした。

元々は音楽の仕事をしていたというオーナーとシェフ。縁あって小川町でお店を開くことになった際にまず決めたのがBGMだったそうです。そのBGMが鈴木亜紀さんや矢野絢子さんといった女性シンガーの曲。ほかにもこのお店で働く人、関わる人から「強い女で作られたお店だね」という話になり、それが店名となったのだそうです。

非常に興味深く、お話を聞けば納得できる店名です。強いと言っても様々な強さがあります。強さとは戦って勝つだけが強さではありません。強さとは弱さを知ることであり、誠実であったり優しさを持ったりするということは強くないとできないことです。こちらのお店に関わる女性はそういった強さを持ち合わせた素敵な女性。だからこそのおいしさであり、味以外の部分も含めてトータルの満足度が高いお店なのです。

強い女であるあなたも、強い女に憧れるあなたも、強い女が好きな男性も、ちょっと足を延ばして行く価値のある、心と身体に癒やしと活力をくれる素敵なお店ですよ。

※価格はすべて税込

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※本記事は取材日(2021年10月19日)時点の情報をもとに作成しています。

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/