7. 飽くなき美味を求めて進化し続ける名匠「すし処 めくみ」(石川)

ここからはWESTの百名店を紹介します。まずは石川県・野々市市の「すし処 めくみ」。閑静な住宅街に全国から食通がこぞって訪れる、北陸が誇る名匠です。

「店主の山口尚亨さんは、自らを“変態”と言うほどストイック。どうしたら魚をおいしく処理できるかを日々研究、アップデートし続けている職人です。だから訪れるたびに発見がある。その深化が面白い。背景には、地元の生産者との絆があります。山口さんは地元の若手漁師を育てようという活動にも熱心で、資金のサポートを含め応援をしているんです。そういった姿勢にも頭が下がります」

毎日外食マッカチン
出典:毎日外食マッカチンさん

8. 名声に甘んじず多彩な手法で挑む巨匠「天寿司」(福岡)

お次は福岡・小倉の「天寿し 京町店」。地元で取れた白身魚や貝類の繊細なうまみを生かすべく、煮切り醤油ではなく塩やすだちを用いる小倉前、そのパイオニアです。

「九州を代表する名店。小倉前とも呼ばれる独自の仕事を施した寿司を生み出した天野功店主ですが、今もなおおいしくなる方法を考えている探求者でもあります。だから『今回はここを変えました』と、訪れるたびに新たな発見が得られます。店主はいつも謙虚に勉強を続けて、食べ歩かれている。そして多彩なやり方に挑む姿勢が僕の心をつかんで離しません」

代々木乃助ククル
出典:代々木乃助ククルさん

9. 地物の魅力を説明しながら握ってくれる「鮨匠 のむら」(鹿児島)

最後は鹿児島が誇る名店「鮨匠 のむら」。民芸調の装飾が施された、型にはまらない店内には洋楽のBGMが流れます。そんな、どこか緊張感をほぐしてくれる空間で味わえるのは、郷土愛にあふれた地の恵みの数々。

「魚愛が伝わる寿司店です。野村伸治店主は魚に詳しくて、その会話も魅力です。地元で取れた魚を切りながら、握りながら、特徴を詳しく説明してくれます。それがとにかく楽しくて、また行って新しい魚の魅力に出会いたいと思わせてくれる一軒です」

藤崎まり子
出典:藤崎まり子さん

今回の9軒は名店中の名店だけに、予約がきわめて困難など、訪れるのにハードルの高さがあるのも事実。そこで次回は、同じくマッキーさんをナビゲーターに、“回らない寿司”のデビューにおすすめの、比較的気軽に楽しめる人気店を紹介します。

監修/マッキー牧元  取材・文/中山秀明 

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