シェフのセンスが伝統の味を超える！
いよいよメインの肉料理が登場します。本日はワインの搾りかすを与えたオーストラリア産の葡萄牛の「カイノミ」。表面だけ焼き目をしっかりつけた後、150〜160℃の低温で休ませながら中までゆっくり火を入れていきます。ジューシーでやわらかく脂が少ない、これぞ赤身肉の醍醐味！と言わんばかりの味わいであっという間に完食してしまいます。
もう十分お腹は膨れているのですが、どうしても気になるパスタがあり、ハーフサイズで作っていただきました。王道メニューである「イカ墨のパスタ」ですが、他とはひと味もふた味も違います。マッシュルームと玉葱を十分に炒めアサリの出汁と合わせたイカ墨ソースに、パスタまでイカ墨入り。野菜と魚介のうまみと甘みがぎっしり詰まったパスタは必食です。
イタリア料理店のデザートの代表格、ティラミス。でもただのティラミスでないことは一目瞭然。本来ならマスカルポーネチーズクリームとエスプレッソやリキュールなどに浸したフィンガービスケットを重ねるのですが、こちらではマスカルポーネチーズにピスタチオペーストをふんだんに使いコクを加えたクリームに、コーヒー味のフィンガービスケットを添えて口内調理をするスタイル。オリジナルを超えた新しいティラミスの世界にしばし陶酔してしまいます。
コース料理を食べ終えて思ったのは、野菜の優しい味わいと豊かなうまみがこんなにも感動を与えてくれるのだということ。シェフの鈴木敦さんは「人参、玉葱、セロリばっかり使っています」と笑い話にしますが、その3つが基本の香味ベースである「ソフリット」はすべてのイタリア料理の要となるもの。伝統の味を大切にしつつユニークな鈴木さんのセンスを纏った新しい料理と世界各国のワインを和の空間で食す「Archan」には、間違いなくハマる魔力があるのです。
【本日のお会計】
■食事
・シェフのおまかせコース 5,500円
・イカ墨のパスタ（ハーフサイズ） 770円
■ドリンク
・リモナータ 715円
合計 6,985円
※価格はすべて税込です。
