【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#20】「レストラン マリ」

スパイスカレーは全国的に認知を得て広がりを見せ、現地系カレーもよりマニアックな地域にこだわった料理を出すお店が増えてきており、カレー界はまさに百花繚乱の時代を迎えています。しかし、カレーと言えばシンプルに茶色のルウで白いご飯が進むアレが好きなんだというオールドカレーファンも少なくありません。さらに言えばここ数年でカレー好きになった方は、古き良きカレーをあまり知らないのではないかと感じることも少なからずあります。

見た目から、家のカレーと大差ないと思い込んでしまって深掘りできていないのではと思うのです。懐かしいだけではなく今食べても間違いなくおいしい「古き良き」カレーは存在します。今回ご紹介するのは東京・神田淡路町にある「レストラン マリ」。2020年11月にオープンした比較的新しいお店なのですが、由緒正しい古き良きカレーをいただけるお店です。

新しいお店なのに古きとは何故か最初に説明すると、こちらの店主マリさんはお婆様の代からカレー専門店を営んでいる華麗(カレー)なる一族。お婆様は東銀座の老舗を立ち上げた方。その後その娘さんであり、マリさんにとってはお母様が立ち上げたのが渋谷の老舗。どちらもオールドカレーファンなら誰もが知る人気店です。

お母様はそのお店を弟さんに譲り、ご自身でまた新たに始めたのがかつて築地にあった「タイティ」というお店で、こちらを学生時代から手伝っていたのがマリさんでした。そのタイティが立ち退きとなり、近場で物件を探していたものの見つからず、エリアを広げて見つけたのが現在の場所。移転を機に店名も変わってスタートしたというわけです。

お婆様の代からの3店舗、どのお店のカレーも根本にあるものは近いながら、仕上がりが違うのが面白いです。聞いてみると場所によって好みが違うので少しずつ変えているのだそう。

「カツカレー」

「カツカレー」980円はひとくちカツが3枚のるカレー。カレーは欧風というよりも洋食的な味わいで、時折口内で弾けるクローブの香りが印象的。ご飯が進むカレーです。この手のお店は、ベースのカレーは同じで具が違うだけということも少なくないのですが、こちらはベースからして違うカレーが楽しめるのも飽きずに通えるポイント。

「牛すじカレーとキーマカレーの2種盛り」

カレーは2種盛りにもできるので、「牛すじカレーとキーマカレーの2種盛り」1,500円をいただいてみれば、牛すじがとにかく奥深いうま味で非常においしく、キーマは鶏と豚の挽肉使用で軽やかな仕上がり。相性の良い2種盛りとなりました。

マリさんが厨房、お母様はホール担当でとても仲の良いお二人。お二人ともおいしいものが大好きで、各地で色々なものを食べ歩いてきたそうです。マリさんはケーキ作りにも力を入れていて、予約限定ですが本格的なケーキもオーダーで作ってくれるとのこと。

三代に渡って受け継ぎ、進化させてきた「古き良きカレー」。古き良きカレーの街である神田エリアに落ち着いたのは必然だったのかもしれません。

※価格はすべて税込

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※本記事は取材日(2021年7月14日)時点の情報をもとに作成しています。

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/