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入門から個性派まで。都内の激うまビリヤニ5軒
興味深い話をたくさん聞かせてくれたカレー細胞さんに、都内で食べられるビリヤニのおすすめ店を5つ挙げてもらいました。
1. 魚介が絶品の南インド料理「バンゲラズキッチン」(神保町)
まずは南インドレストランを代表するお店として、「バンゲラズキッチン神保町」をピックアップ。
「ここはなんとも珍しい、南インドの港町・マンガロール料理のお店。港町ならではのシーフードを筆頭に、どれも抜群においしいんです。その理由は、オーナーのバンゲラさんがグルメだから。自分でも作れるんですけど、現地から超一流のシェフを呼んだ上で徹底的に味をブラッシュアップしていくんです。あとは竹筒入りのビリヤニという、激レアな提供法も魅力。チキン、マトン、二枚貝のビリヤニは竹筒入りになるはずなので、ぜひお試しを」

「同店は銀座と船堀にもあるので、お近くの店舗へ。あとはほかに南インドのビリヤニ名店を挙げるとしたら、京橋の『ダバ インディア』、経堂の『スリマンガラム』、御徒町の『アーンドラ・キッチン』など都内に3店舗あるアーンドラグループの店ですね」
2. 現地人認定のバングラデシュ料理「ベンガルカレーファクトリー」(神田)
次はバングラデシュ・ダッカ式のビリヤニを味わえる、神田の「ベンガルカレーファクトリー」をレコメンド。ダッカ式は南インドのビリヤニとは違ったテイストで、複雑性があるため味の詳細な説明は難しいとのことながら、とにかくおいしいのだそう。
「在日バングラデシュ人にも大好評で、大使館からもオーダーがあるそう。ネイティブが認める味ってことは、そりゃあウマいに決まってますよ。あと『HIROTA DADA BIRIYANI』という店名の看板も出していて、つまりビリヤニ専門店としても営業しているということ。ビリヤニは提供していない日もあるので、SNSをチェックしてみてください」

「バングラデシュのビリヤニは、まだパキスタンや南インドほど知られていないので、その点でも要チェックです。都内ではほかに、虎ノ門から神保町に移転した『トルカリ』と、その支店『トルカリ高円寺』が実力派のバングラデシュレストラン。コア度でいえば神保町より高円寺の方が上かもしれませんが、両店ともにおすすめです」
3. 心地よいサービスとバラエティ豊かな料理「ハリマ・ケバブ・ビリヤニ」(上野)
前記2店がネイティブやマニアをもうならせる名店だとしたら、次はエントリー層にも親しみやすいレストラン。カレー細胞さんが「ビリヤニ普及に貢献した一軒」と前述した「サルマ ティッカアンドビリヤニ」の上野店「ハリマ・ケバブ・ビリヤニ」です。
「サービスがすごく僕好みの心地よさで、個人的なおすすめは上野店なんです。味のベースは基本的に全店同じで、スパイスがバンバン香る華やかでわかりやすいテイストなのもビギナー向け。あとはビリヤニや南インドの料理も出しながら、ポピュラーな北インド料理に軸足を置いているという多彩さも、なじみやすさの一つですね」

「品川の本店、銀座『カーン・ケバブ・ビリヤニ』、天王洲『サベラ ティッカ ビリヤニ』、多摩の日野『アナス ドーサ ビリヤニ』のほか神奈川や千葉にもあるので、行きやすい場所に足を運んでみてください。また、宴会向けのコースなども充実しているので、情勢が落ち着いたらぜひここでビリヤニパーティを!」
4. おひとり様必見の「エリックサウス 高円寺カレー&ビリヤニセンター」(高円寺)
「ビリヤニ普及に貢献した一軒」として見逃せないのが前述「エリックサウス」ですが、同店は2020年にビリヤニ特化型のレストランをオープンしています。それが次に紹介する「エリックサウス 高円寺カレー&ビリヤニセンター」。
「ここはビリヤニのビギナーが一人で行くなら一番おすすめ。一人前から食べられて、ビリヤニのあいがけもOK。ミールスにビリヤニを付けることもできます。あとは、食べきれなかった分のテイクアウトをお願いしづらい人っていると思うんですけど、ここはテイクアウト用の容器を自由に使ってくださいというスタンスなので、セルフで気軽に持ち帰れます」

「都内なら系列店がいくつかあるので、もちろんそこでもOK。ただ、おひとり様で数種のビリヤニを存分に楽しむなら高円寺です」
5. 和との融合がおもしろい「インド料理 マルジョウ」(池ノ上)
最後は変わり種。なかでもカレー細胞さんがおすすめするのは、和風ビストロのような空間で日本料理のアプローチを取り入れた一皿を提供する「インド料理 マルジョウ」。最寄りは京王井の頭線「池ノ上駅」です。
「一世を風靡したスパイスカレーに多用される要素といえば、和だしだったり日本の旬の食材だったりするわけですが、それをビリヤニに取り入れるというセンスに脱帽です。たとえば鮭とイクラを使うなど、海鮮親子丼をビリヤニで提案するという革新性」

「ビリヤニという南アジアの米料理と、米食文化が根付く日本のハイブリッド。カレー界全体のトレンドとの親和性の面でも興味深いですし、ネクストトレンドの可能性としても見逃せません。日本ならではのビリヤニを楽しむなら、イチオシですよ」
【番外】パキスタンビリヤニは越境がおすすめ。新店も要チェック
カレー細胞さんとしてはパキスタンビリヤニの提供店も入れたかったそうですが、パキスタン式を味わうなら現地コミュニティがあるエリアの店がイチオシとのこと。そしてその現地コミュニティは、東京ではない地域のほうがディープでビリヤニのレベルも別格。首都圏なら、前述した埼玉の八潮市、千葉の野田市などです。
「八潮市なら『カラチの空』と『アルカラム』。野田市なら『Handi レストラン』がおすすめで、まさに“メッカ”。他県とはいえ東京から近い立地なので、ぜひ越境して行ってみてください」
そして最後にカレー細胞さんは、ニューフェイスの注目店も教えてくれました。
「2020年の4月にオープンした、町田の『SANGITA BIRYANI』と、2020年8月にオープンした恵比寿の『ルビーマーレー』です。後者は現在間借りによる営業で『ビリヤニDAY』を設けて展開していますが、SNSをチェックすればスケジュールがわかるので、要チェックですよ」
なお、カレー細胞さんが主宰する「SHIBUYA CURRY TUNE」では神田に2021年7月オープン予定の「ビリヤニ大澤」が出店決定。前売りは完売したものの、当日券の用意もあるとのことなので、こちらもチェックしてみましょう。
監修/カレー細胞(松 宏彰) 取材・文/中山秀明
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