【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#202】「POKHARA (ポカラ)」
新大久保と言えば一般的にはコリアンタウンとして有名ですが、カレー好きの間では“リトルカトマンドゥ”と呼ばれネパール料理の激戦区としても有名であることは本連載でも幾度となくお伝えしてきました。そんな新大久保らしい新店舗が2024年10月29日にオープンしました。その名は「POKHARA」。
ポカラとはネパール中部にある都市名でカトマンドゥに次ぐ人口の多い街。つまりこちらもネパール料理店ではあるのですが、新大久保エリアの他のお店とは色々な部分が違うのです。
最も顕著なのは向かいにある韓国系カフェ「ROZI coffee」の姉妹店であること。そして食事メニューがダルバートのみであること。さらにはROZI coffeeのコーヒーも飲めて、逆にROZI coffeeではPOKHARAのカレーを違った形で食べることができるのです。おしゃれなカフェの系列らしくこちらの店内も他のネパール料理店とはかなり違う雰囲気。
「ダルバートセット」1,100円は定番のチキン、ポーク、週替わりのキーマの中から好きなカレーを2種類選ぶシステム。ポークと週替わりのチキンキーマカレーを選択してオーダー。
ポークはオーセンティックなネパールのスングルコマスを基礎としながらそれを日本人にも食べやすくした仕上がり。レモンの風味が印象的で爽やかなテイストが素晴らしいです。
キーマはジューシーでスパイスカレー的な着地。お店の看板にはスパイスカレーとも書いてあるのですが、正統派ネパール料理をスパイスカレー的な形で初心者にも食べやすく仕上げているとも言えるでしょう。
初心者向けとなるとマニアには物足りないと感じる場合もありますが、こちらのカレーは物足りないということはないレベルの高さ。確かに現地料理とは少し違いますが、その違いが楽しく、他にないおいしさだと思えるのです。
期間限定でギーのトッピングもできるということでお願いしたのですが、食べて少ししたあたりでフライパンで熱したギーをそのままご飯にかけてくれるというサービス。ポカラ産の水牛のギーとのことですが、豊かな風味が加わってさらに奥深い味となりました。
付け合わせも時期によって変わり、この日はタンドリー手羽中でした。マサラ玉子の黄身がとろとろなのもスパイスカレー的。ダルは濃厚で、サラッとしたテクスチャのポークカレーと混ぜると濃度を調節する役目も果たします。言うなればこれは新時代ダルバート。ダルバート好きのみならずスパイスカレー好きな方にも食べてほしい逸品です。
食後に「アメリカーノ」605円も。ROZI coffeeのスタッフさんが向かいのお店からサーブしてくれました。アメリカーノとはエスプレッソをお湯で割ったものですが、こちらのアメリカーノはエスプレッソとお湯が別々で出てきて自分好みの濃度に調節できるのが面白いです。エスプレッソ自体の味を楽しんだ後に濃いめの濃度にしてアメリカーノも味わい、一度で二度おいしいというお得感。
最後に、先述したROZI coffeeではPOKHARAと違った形のカレーを食べられるということについて。ROZI coffeeのランチタイムにはチキンカレー、チーズキーマカレー、そしてプルコギカレーというメニューもあり、このカレーはPOKHARAで調理したものをPOKHARAからサーブしてくれるのです。
「プルコギカレー」1,078円に「目玉焼き」55円をトッピングしたものをいただきましたが、POKHARAのチキンカレーをスパイスカレー的に盛り付けたものと韓国料理のプルコギのあいがけ的な個性ある一皿となっていました。
韓国とネパールを新大久保の地で繋ぐ存在とも言え、今後このエリアを代表するようなお店に育っていく可能性を感じました。
ダルバートを食べてみたいけど本格的なネパール料理店の雰囲気にハードルの高さを感じていた方にはうってつけのお店。カフェ感覚で個性派ダルバートを食べられる貴重な存在であり、今後の展開も楽しみな新店舗です。
※価格はすべて税込