隠れ家風カフェの朝食で、一日をスタート

プルミエメ 店内
カフェのある建物はオフィスが入るような雑居ビル。外からは店があるようには見えない隠れ家風カフェ。

代々木公園駅から徒歩わずか1分。駅近ながら、外看板もなく営業しているのが、ちょっとよそゆきの朝ごはんをコンセプトにした「プルミエメ」だ。店名の由来でもあり、フランス語で5月1日を意味する「Le premier mai」にちなみ、2021年5月1日にオープンした。

コンセプト通り、朝8時からオープンして提供するのは「朝ごはん」。フランスの定番朝食でもあるムイエットをアレンジし、季節のデリなどを取り入れたボリュームたっぷりの贅沢なプレートだ。

彩り豊かで栄養満点のフランス風朝ごはん

プルミエメ ムイエットプレート
高級食パン専門店「考えた人すごいわ」の食パンを贅沢に使った「ムイエットプレート」。

人気のメニューは、看板メニューでもある「ムイエットプレート」(1,600円)。ムイエットとは、細長くカットしたパンに半熟卵などを添えた、フランスでよく食べられている朝食のこと。

フランスではバゲットが使われることが多いが、同店では人気の高級食パン専門店「考えた人すごいわ」の食パンを使っている。厚さ2cmの食パンは、それだけで存在感があり、トースターではなく鉄板でトーストすることで、サクサクかつふっくらと焼きあがっている。

これにビーツで赤く色づいたマッシュポテトや雑穀といった季節のデリ、ケール、 原木ベーコン、リトアニア産のデュカスチーズなどが盛り付けられている。

その中でも目を引くのが、二つの半熟卵だろう一つは黄色味の強い卵を使い、もう一つは北海道十勝産の白い卵を使っている。白い卵はお米で育てた鶏の卵で、さっぱりとしながらもコクのある味わいが特徴だ。

プルミエメ ムイエットプレート
半熟卵の黄身は絶妙な火入れ加減で、まるでソースのような濃厚さを残している。

この店では、味だけではなく、食べること全体を楽しんでもらうため、色々な仕掛けがある。そのうちの一つが、半熟卵の割り方だ。

プレートを注文するとカトラリーとともに、半球状のものがついた銀色の細長い器具が並べられる。これは半熟卵やゆで卵を割るための器具、いわゆるエッグシェルブレーカーである。

このエッグシェルブレーカーを卵に添え、重りを落とすと衝撃で殻にひびが入る。これを数回繰り返して殻が割れたら、改めてナイフで上部を切り取って完了。スティック状のパンにトロトロの黄身を付けていただけば、まるで極上のソースを付けて食べているかのようだ。食パン自体の味に深みがあるのでバターはいらない。純粋に卵とパンのおいしさを堪能できる。

なんでもこのトロトロ具合に仕上げるために何度も試食を繰り返し、やっとたどり着いたという。もちろん、茹で時間などのレシピは極秘だ。